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【ニューカマー・レコメンド】芯の強さを持つ“紳士的な”プレーヤー:大久保嘉人(神戸→川崎F)(13.02.01)

2013シーズン始動!ニューカマー・レコメンド
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大久保嘉人に今さら説明は要らない。過去にマジョルカ(スペイン)やヴォルフスブルク(ドイツ)に所属し、2010年のワールドカップ南アフリカ大会でも活躍。そして神戸では5シーズンにわたってエースであり続けたキャリアがあれば、容易にすごさは分かるだろう。間違いなく日本を代表する選手である。

強いて「負」の部分を挙げるなら、過激な発言や荒々しいプレーでしばしばマスコミをにぎわす点。だが、それはあくまで表面的な要素に過ぎないことも忘れてはいけない。大久保のストロングポイントは、卓越した足下の技術、運動量、スピードなど色々とある。それらを高い次元で持ち合わせることで、相手DFが飛び込めないような絶妙の間合いも生まれる。だが、最もすごいのはタフさだ。

2012年4月21日のJ1第7節・柏戦で靭帯を損傷した大久保は全治約2カ月と診断された。だが、その10日ほど後には練習場に顔を出して軽くジョギング。「ちょっと痛みはあるけど問題ない。(5月3日の)大宮戦か次のC大阪戦には間に合う」と言ってのけた。その場にいた記者たちは、誰もがリップサービスだろうと思っていた。全治2カ月の負傷が2週間で治るはずがない。だが、5月6日のC大阪戦で大久保はベンチ入りを果たす。試合前のピッチでボールを蹴る彼の姿に度肝抜かれた神戸サポーターも多いはずだ。

とはいえ、昨季を振り返ると負傷に悩まされた1年だったのかも知れない。ナンバー「10」を背負って「得点王」を目指したが、26試合4得点でシーズンを終えた。「痛みはあるけど、まぁ大丈夫っしょ」と言いながら試合を迎えたことも何度かあった。そんな状況でも、橋本英郎が「カウンターも、ポゼッションも両方できるのは器用な選手」と称した逸材は、まるでケガなんか無かったかのような顔をして攻撃の核となり続けた。J2降格の戦犯と言う方もいるかもしれないが、相次ぐ指揮官の交代の中で大久保という才能がなければ、神戸はもっとバラバラになっていた可能性もある。

最後に付け加えておくと、過激な発言の多くは神戸の不甲斐なさについてのコメントだったことも忘れてはいけない。プレーで、言動でチームを鼓舞してきたのが大久保嘉人の真実である。思い通りに行かずに苛立った試合の後でも、足早にミックスゾーンを去るのではなく、彼はマスコミに対応した。過剰な言動が報道されるのも、そういった紳士的な振る舞いを忘れなかったからという見方もできるのではないだろうか。
神戸の練習場で“嘉人節”が聞けないのは少し寂しいが、川崎Fでも愛される選手になってほしいと願う。

以上

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★新シーズンの開幕を告げる大会が今年も!★
FUJI XEROX SUPER CUP 2013
2013年2月23日(土)13:35キックオフ/国立
サンフレッチェ広島 vs 柏レイソル
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2013.01.31 Reported by 白井邦彦

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