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【J2:第6節 鳥取 vs 湘南】プレビュー:カギを握るハイプレッシャーの攻防。かいくぐって流れを引き寄せるのは鳥取か、湘南か。(12.04.01)

前節、鳥取は福岡にアウェイで0‐4と大敗し、ホームでの4節で京都から今季初勝利を挙げた勢いを削がれた格好になった。一方の湘南も前節、アウェイで熊本と点の取り合いの末に3―3で引き分け、開幕からの連勝が4でストップ。ともに仕切り直しを目指しての一戦となる。

鳥取は福岡戦で、前線からのプレッシャー、2列目以降で相手選手をつかまえるマークともうまくいかず、守備から主導権を握るゲームプランを遂行できなかった。それが攻撃にも伝染し、攻守両面でちぐはぐなプレーに終始。また、反撃に転じようかという後半開始直後、わずか20秒で3点目を奪われ、敗色濃厚となってしまった。2節の熊本戦では後半開始50秒で失点して同点とされ、3節の町田戦では1分20秒で失点して先制点を奪われており、今季5試合中、すでに3試合で後半の入り方に失敗。試合運びという点でも課題を露呈している。

一方の湘南は連勝こそ止まったものの、ハイプレッシャーでボールを奪い、早くフィニッシュまで持ち込むというコンセプトの共有はできており、チーム状態は依然として良い。熊本戦は79分に逆転しながらも、87分に追い付かれてしまったが、今季目指しているのが“リードして終盤に入っても、守りに入るのはやめよう”という、積極的な試合運びであることを思えば、それを貫いたプレーぶりは、今後につながるものもあると言っていいだろう。

首位の湘南、19位の鳥取という数字が示す通りの、力の差を感じさせる状況だが、さらに鳥取にとって苦しいのは、今週に入って吉澤英生監督をはじめ、チーム内にインフルエンザが蔓延し、発症した選手の欠場が濃厚となっていること。これには福岡戦に先発したDF柳楽智和、MF三浦旭人が含まれており、もともとのケガ人の多さに加えて、さらに厳しいやりくりを余儀なくされている。

とはいえ、鳥取にとってはホームゲームであり、腰の引けた戦いをするわけにはいかない。中村有ヘッドコーチは「鳥取も湘南も、目指しているのは、高い位置からプレッシャーをかけてボールを奪い、相手が陣形を整える前に早く攻めること。ただし、お互いが良さを出し合い、がっぷり四つの展開で同じことをやっても、現在の順位が示す通りの結果が出る」とした上で、「湘南は奪ったボールを前へ、前へと運んでいくけど、雑な面もあって、ボールを失う回数も多い。でも、失った後に強みがあり、素早い切り替えから再び奪い返して、ゴールへ向かうスタイル。勝機を見いだすとしたら、それに付き合わず、マイボールの時間を多くしたい。相手は確かにハイプレッシャーだけど、そこをかいくぐればスペースはある。ダイレクトにゴールを目指すことと同じくらい、ボールを大切にすることは重要なので、そこにトライしていきたい」と語り、持ち味を出し切った上で、プラスアルファを加えて勝機をたぐり寄せるゲームプランを描く。

鳥取は昨季、公式戦では初対戦となった湘南とのホームゲームで4―0の大勝。開始2分にハイプレッシャーで相手のミスを誘い、ボールを奪ったMF美尾敦が電光石火の先制点を奪って流れを引き寄せた。さらに続くアウェイゲームでも1―0で勝っており、昨季ホームとアウェイの両方で勝ったのは湘南だけ。相性の良い相手であることは、心強いデータと言える。

しかし、湘南もここで勢いを止めるわけにはいかず、スタートダッシュを確固たるものとするためにも、苦手意識を払拭するだけの勝利が欲しい。“できるだけ敵陣でサッカーをする”という狙いを実現するためにも、これまで同様に前線からのハイプレッシャーで主導権を握ろうとするはずだ。その攻防を制し、流れを引き寄せるのはどちらか。先手を取るためには、攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えも大きなポイントで、ボールの奪い合い、球際の競り合いで、激しい攻防が繰り広げられそうだ。

以上

2012.03.30 Reported by 石倉利英
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