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【J2日記】千葉:卒業式とスピッツ(12.03.29)

3月25日のJ2リーグ第5節・徳島戦で、プロ初ゴールを含む2得点で3対0の勝利に貢献したのが、大卒ルーキーの右サイドバックの大岩一貴選手だ。スコアレスドローに終わった前節の福岡戦で大岩選手は、前半にCKからのヘディングシュートがクロスバー直撃、後半には深井正樹選手からのスルーパスにゴール前へ抜け出してのシュートが相手GKに当たってと、2度の決定機をモノにすることができなかった。だが、徳島戦の得点は、プロ初ゴールがCKからのヘディングシュートで、大岩選手自身の2点目はオーバーラップしてパスを受け、思い切りよく右足を振り抜いての無回転気味の弾丸シュート。
福岡戦で取りそこねた2得点を取り返した感じだが、大岩選手は「福岡戦では2本も(シュートを)大チャンスに外しちゃって、チームに迷惑をかけたので。今日、取り返そうというふうには思っていなかったですし、完全に取り返せたとは思っていないですけど、少しは貢献できてよかったなぁと思います」と話した。試合前々日に「思いっきりのよさが足りない。もっとアグレッシブにやれ」と木山隆之監督に怒られたそうだが、「それでちょっとふっ切れた」と意識を変えて挑んだプレーが2得点につながったのだろうし、フィジカルの強さ、中央大学でキャプテンを務めた精神的な強さで無失点の守備にも貢献した。

試合後のヒーローインタビューでは最後にサポーターへのメッセージを話す際、「中央大学を卒業した大岩一貴です」と改めて自己紹介をしていたが、実は当日の3月25日は中央大学の卒業式だった。試合出場を優先したため卒業式に出られなかったわけだが、ミックスゾーンでの囲み取材では次のように話していた。
「大学もサッカーで生きてきた感じがあるので、卒業式に出たかったですけど、僕はもう社会人というかプロだし、今は個人としても試合に出してもらって大事な時期なので。ロンドン・オリンピック(に出場するU−23日本代表入り)に向けても、試合に出て活躍しないと(代表メンバーに)残っていけないので、卒業式に出るという選択肢はなかったです。(中央大学の関係者などには)怒られちゃうかもしれないですけど(苦笑)」
大学卒業を自らの2ゴールで祝った3月25日は、大岩選手にとって忘れられない、うれしい記念日となりそうだ。

そんな大岩選手が好きなアーティストは、千葉のオフィシャル月刊誌の選手名鑑によるとスピッツとのこと。実は大岩選手にまだ話していないが、筆者はスピッツの大ファン。そして、以前からJ1残留争いやJ2昇格争いの厳しさを見るにつけ、スピッツの『けもの道』の歌詞の一部が選手を応援する言葉につながると思っていた。千葉では試合前にスタジアムDJがサポーターや選手からのリクエスト曲をかけているため、筆者は思い切って初めて今季の開幕戦前夜にリクエスト。すると、徳島戦の試合前にスタジアムDJの酒井道代さんから「今日、かけさせていただきますね」というメールをいただいた。
筆者が仕事をするプレスルームはスタジアムDJの音が聞こえにくく、タイミングも悪かったのか、残念ながら『けもの道』を聴くことはできなかった。選手のスタジアム入り前だったはずなので、大岩選手も聴かなかったはずだ。それでも、囲み取材で「今日、リクエストしてスタジアムで『けもの道』をかけてもらいました」と言うと、大岩選手は「ありがとうございます」と笑顔。筆者は内心、「いや、別に大岩選手のためにだけリクエストしたわけじゃなかったんだけど…」とツッコミを入れつつ、フクアリに流れたスピッツの歌のパワーが少しでも大岩選手の後押しになっていればと思わずにいられなかった。試合前にはいつもスピッツの『チェリー』と『ロビンソン』を聴くという大岩選手のさらなる活躍を、スピッツファンとしてはちょっと贔屓目に願っている。

以上

2012.03.29 Reported by 赤沼圭子

徳島戦でゴールを決めて喜ぶ大岩一貴選手

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