・4月4日(水）19：00　柏vs広州＠柏
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前身の広州医薬グループ時代、八百長問題が発覚し2010年シーズンに甲級リーグ（J2リーグに相当）へ降格処分後、不動産業を主とする恒大房産がスポンサー契約し、広州恒大として再出発。当年甲級リーグ優勝を果たし1年でCSLへ昇格、昇格1年目の2011年には20勝2敗8分で初優勝を勝ち取り、最速でAFCチャンピオンズリーグの出場権を獲得した。その裏には、豊富な資金力をバックに中国国内外から数多くの大型補強による選手層の厚さと再出発2年目にして平均45,000人のリーグNo,1の集客力を誇るサポーターの後押しが大きい。海外選手では、韓国Kリーグの水原から元韓国代表で韓国のガットゥーゾと呼ばれるチョ・ウォニ、ブラジル1部のフルミネンセFCから2009、10年と2年連続MVPのダリオ・コンカを中国サッカー史上最高額の移籍金を投じ獲得、またセルビアのバルチザンから強豪リバプールも興味を示したFWクレオを獲得するなど世界的にも注目度の高い優秀な選手を次々と集めている。国内選手を見れば、元代表の中盤楊昊（YANG Hao）がチームを離れた代わりに、陝西から中国代表でディフェンス能力に長けるボランチの趙旭日（ZHAO Xuri）を完全移籍で獲得。また、2月末のW杯3次予選の代表にリーグ最多の8人が選出されるなど、リーグ中最強の布陣と言っても過言ではない。

攻撃面では、前出のコンカ、ブラジルのチーターとの異名を取る快足FWで昨シーズンのリーグ得点王でMVPのミュリクイなど合計67得点をたたき出した強力攻撃陣で固める。その後ろには、ボール支配率平均60%と高いコントロール能力を持つ厚い中盤陣が待ち構える。前出のチョ・ウォニ、趙旭日やイングランド・チャールトン、スコットランド・セルティックなどで活躍した中国代表鄭智（ZHENG Zhi）など多彩なコンビネーションでサイド攻撃を演出。超豪華メンバーを演出するのは、中国リーグで10年以上指揮を取る韓国人李章洙（Lee Jang-Soo）。広州サッカーの中心はスピードであり、カウンター時のスピードは目を見張るものがある。ACL優勝を目標に掲げる同チーム。豪華メンバーの起用次第でリズムをしっかりと作れるかが鍵になるだけに、監督の采配に左右される部分は大きい。



【注目選手紹介】

●ダリオ・コンカ
あだ名は天体（広州恒大のホームスタジアムの別名）の神様。アルゼンチン出身でチームではトップ下を任される。2009年と2010年の2年連続でブラジルセリエA最優秀選手選出。また、ウルグアイのエル・パイス紙が毎年選出する「ブラジルの最優秀選手」に選出されるなど南米地域での注目度は高い。2011年7月、リーグ途中に広州恒大に移籍。移籍金は中国史上最高額の1,000万ドルとも言われている。推定年俸は1,040万ドルであり、世界最高クラスの年俸額の選手となった。プレー・スタイルはリーガエスパニョーラ・FCバルセロナのメッシに酷似していると評されている。抜群の突破力、ゴールに対する鋭い嗅覚などは群を抜く。また、1対1にも強く集中しやすい相手マークをうまく交わすテクニックにも優れている。

●鄭智(ZHENG Zhi)
あだ名は大黒柱。ポジションはMF。元々はDFの選手だったが、後にMFへとコンバートされた。中国代表においても、アリ・ハーン監督の時代はセンターバックで起用されていたものの、やがて中盤でプレーするようになった。しかし、守備力の高い彼がディフェンスラインから抜けたことでチーム全体の守備力が低下したとの批判もある。代表では主将を務めるほか、セットプレーのキッカーも任され、チームの要として活躍している。 プレースタイルの面で、精度の高い良質のクロスを前線へ供給できる。運動量も豊富で敏捷性に優れ、ボールの置き方、視野の確保が上手い。

●孫祥（SUN Xiang）
同じプロサッカー選手の双子の兄がいることから、二哥（二番目の兄）と呼ばれる。ポジションは左サイドバック。双子の兄・孫吉（SUN Ji）と共に中国代表経験者である。CSL上海申花では兄弟でプレーし、オランダPSVのトライアルにも二人で参加した。兄は右サイド、弟は左サイドでのプレーを得意とする。2004年から中国代表に定着し、同年のAFCアジアカップやFIFAワールドカップアジア予選、翌2005年の東アジア選手権にレギュラーとして出場。所属する上海申花でも主力として活躍し、中国を代表するプレーヤーの一人としての地位を確立。プレースタイルはスピードと高い技術を併せ持った攻撃的サイドバック。スピードを生かしたオーバーラップで左サイドを駆け上がる。

Reported by　蹴揚康修（OCEANS)