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【J2:第4節 福岡 vs 千葉】プレビュー:福岡の真価が問われる試合。謙虚に、相手を尊重し、しかし自信を持って戦え!その先に勝利の2文字がある(12.03.19)

開幕2連勝の勢いを武器に、昇格争いのライバルのひとつである湘南との戦いに挑んだ福岡だったが、結果は1−3の敗戦。3連勝を目指した福岡にとっては残念なものになった。しかし、リーグ戦に敗戦はつきもの。勝利も、敗戦も、終わってしまえば過去のものでしかない。「いま大事なことは、連敗しないこと、今日出た課題をどこまで修正できるかということ、そしてコンディションをいかに整えるかだと思う」(高橋泰)。その言葉通り、どんな時も、結果と問題点をしっかりと受け止め、次に来る試合に向かって自分たちの力を最大限に発揮すべく準備することが大切であることに変わりはない。

さて、過去3戦を振り返ると、現在の福岡にとってのキーワードは選手の距離感。それは、前田浩二監督の記者会見でのコメントからも明らかだ。
「選手同士の距離感は、奪った瞬間に単純に仕留めようとするとどうしても長くなる。そこで相手に広がったスペースを突かれてしまうという悪循環があったと思う」(熊本戦)
「(修正点は)1人1人の距離感、特にFWと中盤の距離が広がったということ。ボランチとワイドの距離感が広がったことだと思っている」(町田戦)
「守備に関しては、それぞれの距離感が広く、間を通され、背後を突かれていたというのが私の印象。1人1人の距離感と、その前にボールへのアプローチが遅い分、相手に揺さぶられてしまった」(湘南戦)
今シーズンの福岡が目指すサッカーは、ボールをポゼッションして攻守に渡ってゲームをコントロールし、流れを見極めながらゴールを奪うというもの。そのためには、選手同士の距離感を適正に保つことは福岡の生命線と言える。新しいチームによる、新しいものの構築は、一朝一夕に完成するものではなく、前田監督の言葉を借りれば、それは「ポジティブな課題」。その課題を修正し、試合の中で、どれだけ表現できるかが千葉戦でのポイントと言える。

加えて、迎える千葉戦はチームの一体感が改めて試される試合でもある。
「全員が特別な選手」(前田監督)である福岡は、チーム内の温度差をなくし、27人全員が一丸となってトレーニングを続けてきた。また、「私が考えるベストメンバーの定義は、その週のトレーニングでコンディションのいい選手」という前田監督の考え下、全員が高いモチベーションと、アグレッシブな姿勢でボールを追い続けてきた。トレーニングメニューのインターバルやトレーニング終了後に、あちこちで選手同士が輪を作り、互いの要求をぶつけ合う姿は、そうした姿勢から来るものだ。堤俊輔が出場停止、さらには鈴木惇の出場が危ぶまれる中、ピッチに立つ11人が、福岡の目指すサッカーを如何にして表現するか。それは、千葉戦での勝利への必要条件であるだけではなく、厳しいJ2の戦いを乗り切るための試金石でもある。

そして、迎える千葉は「J2優勝、J1昇格」の目標達成に向けて最大のライバル。個の能力の高い選手を揃える強豪チームであることは誰もが認めるところだ。開幕戦を勝利した後、やはりJ1昇格の有力候補である京都との戦いに敗れたが、前節の横浜FC戦を3−0で勝利。京都戦での敗戦の課題を修正し、人とシステムを変え、自分たちが目指すべきサッカーで勝利を得た試合は、千葉の底力を示したものであったと言える。
藤田祥史が裏を狙う動きで相手のラインを下げ、深井正樹はサイドからの仕掛けでチャンスを演出。そして、相手の中盤に空いたスペースを2列目以降の選手が有効に使ってゲームの主導権を握る。そんな千葉との対戦は難しいものになることが予想されるが、ホーム・レベルファイブスタジアムで迎える試合に、「勝利」の2文字以外に必要なものはない。

開幕4戦目にして訪れる今シーズン最初の山場。敗戦の後の試合。ホームのサポーターの前での試合。そして、昨シーズンまで福岡の主力選手としてプレーした田中佑昌が所属するチーム。様々な理由から力の入る試合になることは間違いないだろう。しかし、あくまでも冷静に、自分たちのサッカーを見失わず、そして謙虚に、相手を尊重しつつも自信を持って戦いたい。必要なのは「チームが勝つために何をなすべきか」ということだけ。その先に勝利がある。

以上

2012.03.19 Reported by 中倉一志
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