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【J2:第3節 湘南 vs 福岡】プレビュー:開幕2連勝同士の対戦。湘南は「らしさ」を貫き福岡に挑む。(12.03.16)

京都との開幕戦では逆転勝利、前節はアウェイで草津に勝利と、湘南は後半残り15分の得点と併せて昨季の課題をことごとく覆し、開幕連勝を挙げている。粘り強いパフォーマンスを支えているのは選手たちの脚力といえるだろう。たとえば草津の小林竜樹は試合後、「プレッシャーが速かった。欲しいところでパスをもらえず、スペースもなかった」と肩を落としている。相手に走り勝てる実際が、スタイルの浸透や個々の守備の質の向上と相まって、鋭い攻守の切り替えやゲーム終盤にも衰えぬ攻撃姿勢を導いている。

もちろん反省点は尽きない。草津戦では後半開始早々に失点し、相手にリズムを渡した。長くを相手に支配され、クロスバー直撃弾に晒されるなど苦しい展開を強いられた。「後半立ち上がりの失点で相手を勢いづかせてしまった。入り方が悪く、厳しいゲームになってしまった」そう鎌田翔雅は苦々しく振り返っている。

草津戦の失点は今季初めて与えたコーナーキックによるものだった。「自分も含めてチームとして目の前に集中しきれていなかったと僕は思う」GK阿部伸行は局面自体よりもそこに至る流れに触れた。また、こうも言う。
「自分たちにとって打開しなければいけない時間帯は同時に、相手にとっていちばんいい時間帯でもある。だから自分たちが悪いと思いすぎず、そういう苦しいときにもみんなでプレーのイメージを共有することが大事。いいときはもちろん、悪いときの共有をいまからどんどんイメージしないといけない、そう思いながらやっています」

阿部にはひとつ、F東京ユース在籍時の鮮明な記憶がある。横浜FMユースとの対戦で、先輩GKが坂田大輔に「ボコボコに」点を取られるさまをベンチから見ていたという。

今節迎える福岡は、裏への動き出しに優れ開幕戦ではファーストゴールも仕留めているその坂田をはじめ、高橋泰や城後寿、成岡翔ら攻撃のタレントがとくに目を引く。前節は荒れたピッチに苦しみながらも、鈴木惇が鮮やかなミドルを決めて町田を降した。湘南同様、開幕2連勝と幸先がいい。

「前線から一体となってボールを奪いに行く組織力やスピード感があり、選手個々の能力も高い。やはり去年J1にいたチームだと感じる」曹貴裁監督は福岡の印象をそう語る。前田浩二監督とは同期で、チームこそ違えど昔から知っている仲だという。対戦への楽しみを滲ませつつ、「いつも相手のほうが上だと思って戦っている。相手どうこうで自分たちは変わらない。その意味ではいつもと同じ、チャレンジの気持ちです」と週末を見据えた。

これまで同様、攻守に敵を上回るには走力が外せない。「狙いをもった、湘南らしい守備ができれば」たとえば大野和成がそう語ったように、前線からの積極かつコンパクトな守備が主導権を引き寄せる。自分たちのスタイルを貫き、走り勝って、結果を掴みたい。

以上

2012.03.16 Reported by 隈元大吾
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