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【J2:第2節 町田 vs 福岡】福岡側プレビュー:課題を見つけ、修正することでチームは成熟度を上げていく。初アウェイで見せる福岡の姿に注目。(12.03.11)

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新しいチームは、果たしてどんな姿を見せるのか?多くのサポーターが関心を高める中、福岡は開幕戦で勝利を掴んだ。課題もあれば、収穫もあった試合だったが、目指す攻撃の形を随所に見せたことや、苦しい時間帯をしっかりと守り切ったことなど、全体を見れば評価できる試合。まずは上々の形で2012年シーズンをスタートさせた。しかし、前田浩二監督は表情を緩めない。「選手たちにいつも言っているのは、J1だったら決められているぞということ。どんな結果であれ、常に高い意識を持って臨まないといけない。開幕戦に勝ったからと言って一喜一憂するのではなく、次の試合に切り替えて、何が良くて、何が悪かったのかを整理し、常に勝つための準備を怠ってはいけない」

その監督の意思は選手たちに、しっかりと伝わっている。雁の巣球技場の緊張感は緩むことはなく、むしろ高まっているほど。練習中のインターバルには、ピッチのあちこちに輪を作り、互いに意見をぶつけ合うことが日常になっている。決して満足することなく、勝つために何をなすべきかを常に考え、そして、より高い所を目指す。その姿勢は、どんな状況にあっても変わらない。そして、どんな勝利も終わってしまえば単なる結果。それを次につなげてこそ、勝利に本当の価値が生まれることを選手たちは強く意識しているようだ。

そして11日、福岡は今シーズン初めてのアウェイゲームをFC町田ゼルビアとの間で戦う。町田は今シーズンからJリーグを戦うチーム。情報は多くはなく、また、新しい舞台で戦うことの喜びを感じながらプレーするチームは勢いがあり、決して簡単な相手ではない。Jリーグでの経験値は福岡が上だが、それが勝負を決する理由にならないのがサッカーというスポーツだ。まして、町田にとっては初めてのホームゲーム。開幕戦の愛媛との戦いは力を出し切れなかった感があったが、だからこそ、ホーム開幕戦にかける意気込みは強いはずだ。「注意するのは全選手。相手にとってはホームゲーム。メンタル面をしっかりと整えて臨む」と前田監督は話す。

しかし、相手の状況がどうであれ、福岡がやることは変わらない。スタイルは「全攻切守」。ボールをしっかりとポゼッションし、11人の組織的な動きをベースにして、攻守に渡って主導権を持って戦うことを目指す。サッカーは相手ありきのスポーツだが、まずは、自分たちのスタイルをどれだけピッチで表現できるか。それが福岡に求められていることでもある。特に、開幕戦では意気込みが強すぎてオーバーペースになり、後半は熊本に主導権を握られる内容だったが、それをどのように修正するかが、福岡にとってのテーマになる。

そういう意味では、鈴木惇、末吉隼也のダブルボランチに注目したい。鈴木惇は次のように話す。「それは一番ボランチが意識しなければいけないし、プレーでも示さなければいけないこと。また、自分だけではなくチーム全体にも意識させることも必要で、翔君(成岡)や、城後さんを上手く使いながら、落ち着かせていきたい。90分間主導権を握ることは難しいが、自分たちのサッカーを表現することが大切。開幕戦のような苦しい時間帯を短くしなければいけない」。
そして、末吉は「落ち着かせるところを落ち着かせれば、あれほど後半に運動量が落ち目ことはない。ブロックを作って、相手に回させている位の気持ちでプレーしたい。熊本戦の問題は戦い方の問題。すべての局面で前から激しくいくのではなく、メリハリをつけたゲームがしたい」と話す。

そしてまた、ゲームをコントロールしながらバランス良く90分間を使おうというのは、選手全員の共通意識でもある。福岡は町田との戦いで、それにチャレンジすることになる。もちろん、最優先されるのは結果。しかし、それだけにこだわっていては長丁場のリーグ戦は戦えない。「J2優勝、J1昇格」という目標を果たすためには、内容について質を上げ続け、その結果として、勝点3を手に入れる作業を繰り返していくことが必要だからだ。開幕戦から1週間、更なる進化を遂げた福岡の姿がみたい。

以上

2012.03.10 Reported by 中倉一志
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