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【J2:第2節 草津 vs 湘南】草津側プレビュー:湘南ベルマーレ御中 育成費として「勝点3」を頂戴致します ザスパ草津(12.03.11)

☆湘南側プレビューはこちら

とてつもなく大きな1勝だった。アウェイ大分銀行ドームでの開幕大分戦、草津は新ブラジルMFヘベルチのアディショナルタイム弾を含む衝撃の2ゴールによって劇的な勝利を収めた。副島監督就任以来初となる3年ぶりの開幕勝利を手にした草津が、勝点3という貴重な戦果を携えてホーム敷島へ凱旋する。ホーム開幕戦となる2節湘南戦、草津は多くのサポーターと喜びを分かち合うためにピッチに立つ。

大分戦後半45分にCKから同点に追い付かれた時は、さすがに凹んだ。だが、次の瞬間、とんでもないことが起きようとしていた。相手GKのクリアミスを拾ったヘベルチがDFふたりをさっそうとかわしてミドルレンジから左足を振り抜く。そのシュートは草津に関わる全ての人たちの想いを乗せて、ゴールへと吸い込まれた。衝撃の決勝ゴールを決めたヘベルチは「開幕戦でチームの勝利に貢献できてうれしい」と興奮気味に話した。

開幕勝利の立役者が2ゴールを挙げたヘベルチと先制点を決めたリンコンの両ブラジル人であることは間違いない。ただ、チーム全体で勝ち取った勝利だった。2列目に配置された小林竜樹、後藤涼、林勇介の3人は豊富な運動量で攻守に動きゲームを作った。さらに中盤で攻撃の芽をつぶし続けた松下裕樹、相手のポストプレーを徹底マークした御厨貴文ら守備陣の粘りがチームを勝利に導いた。「一人ひとりが役割を果たした結果が開幕勝利につながった」(御厨貴文)。草津は今節も総力戦で湘南を迎え撃つ。

敷島へ乗り込んでくる湘南も、開幕戦で劇的な勝利を収めた。優勝候補とされる京都相手に一歩も引かない戦いを演じ、アディショナルタイムに菊池大介が執念とも言えるゴールを叩き込んだ。湘南は、曹貴裁監督が就任し若手中心のアグレッシブなチームを作り上げた。中盤の番人・松下裕樹は「相手の攻撃を受けるのではなく、逆にこっちから仕掛けていって主導権を取る」と力を込める。草津は2009年以降の正田スタで、湘南相手に2戦2勝と負け知らず。今節もきっちりと勝点3を奪いにいく。

草津にとっても楽しみなのは、一昨年と昨年にそれぞれ草津でプレーし大きな成長を遂げ湘南へ戻った菊池大介と古林将太がどんなパフォーマンスをみせるかだ。今季菊池は背番号10、古林は背番号5を託され湘南の軸としての活躍が期待される。彼らは調子に乗せると手がつけられないだけに先手を打つ必要がある。小林竜樹は「大介と将太の2人は、うちのボス・クマさん(熊林親吾)が睨みをきかせてくれるはずだから心配ない」と影のボスに信頼を預ける。菊池と古林を育て上げた草津は、その育成費として湘南から勝点3を徴収しなければいけない。

開幕戦で勝利を収めた草津だが、ゲーム内容では圧倒しながら勝負所で2失点するなど課題も多く、チームはまだ発展途上だ。だが今季の草津は、サポーター、スポンサー、行政からの声援を力に変えて、大きく進化できるポテンシャルを秘めている。「スタジアムに来てくれる人たちへ、開幕戦以上の熱いゲームを届けたい」(御厨貴文)。アウェイでの開幕勝利で一体となった草津が、ホーム開幕でその結束力を披露する。湘南には勢いを感じるが、負ける気はしない。ホーム開幕のピッチは、J1昇格へのランウェイ(滑走路)だ。

以上

2012.03.10 Reported by 伊藤寿学
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