本文へ移動

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第2節 横浜FC vs 愛媛】横浜FC側プレビュー:好調な攻撃陣を勝点3に結びつけるための修正を図った横浜FC。勝利への鍵は、失点0で終えること。(12.03.11)

☆愛媛側プレビューはこちら

横浜FCの開幕戦となったアウェイ水戸戦は、90分間の中でのサッカーの質の波が大きくなり、その波に飲み込まれる形での逆転負けとなってしまった。水戸を圧倒して先制を果たした最初の30分間、その後コンパクトさを失い、セカンドボールを拾えずにロングボール一辺倒となってしまった60分間。そのコントラストは、チーム作りという面で成功している点と未熟な点を認識させることになった。そして、この一週間、未熟だった点を改善すべく、修正のためのトレーニングを行っている。

開幕戦の良かった点は、攻撃の組み立て。裏に抜ける難波宏明と、ポストプレーが得意な大久保哲哉の特徴を生かしながらも、サイドチェンジをタイミング良く織り交ぜて相手を左右に揺さぶる攻撃は、今季の大きな特徴であり、2012年のJ2初ゴールとなった大久保のゴールのシーンもその良さが存分に出たものだった。「もう1点取っておけばチームは楽になった」と大久保が振り返るように、攻撃陣にとっては手応えを感じる30分だった。

しかし、開幕戦で悪かった点は、リードをした時の戦い方、特にリスクマネジメントの面だった。攻撃がうまくいくあまり、両サイドが同時に上がってしまう場面がでてきてしまった。前半の失点は、サイドバックのミスが起点だが、逆サイドが上がっていったために、そのミスをチームとしてカバーできずにフリーでヘディングシュートを許してしまったのが原因だった。勝っている状況で、いかにリスクマネジメントをするのか、今週のトレーニングでは、状況に応じたポジショニングの確認がこまめに行われた。

岸野靖之監督は、愛媛戦のポイントを失点0で抑えることと語る。

「愛媛は守備のベースがあるチームなので、点を取らさないようにしないといけない。後手を踏んだら開幕戦と同じように焦りが出てしまう。今の横浜FCは、点を取るチャンスは1試合の内に何回か作れると思うので、そこまでじっと失点0で行くことが大事になる。今後のためにも、焦れないで失点0で終われるゲームをどれだけできるか。失点0でしっかり守れる自信を付けることが大事になる。チャンスは来ると思うのでそれを決めて、しっかり粘って、そういうゲームだと思う」(岸野監督)

攻撃の形はできている。今週の練習でも、ビルドアップの時に効果的にボールを散らして、相手を追い詰めていく形は何度も見られた。あとは、その攻撃力を90分のゲームで勝点3に結びつけているしたたかさが試される試合となる。水戸戦では、チームがバランスを崩したために、セカンドボールが拾えなくなったことも苦戦の要因となった。そのバランスも今週の修正点の1つ。愛媛戦では、チームのバランスを保つために多少の選手の入れ替えも想定される。監督、選手、スタッフは意識を合わせて、修正のためのタスクに集中している。練習では、逆転負けの悪夢を振り払うように大きな声も出ていた。その修正の成果を出せば、自然と勝点3を手にすることができるだろう。

愛媛戦と言えば、昨年9月11日の第27節の敗戦が思い出される。8月の4連勝で、昇格争いに向けた準備が整った後に西が丘サッカー場で行われたこの試合で、愛媛のカウンター攻撃に屈する敗戦を喫した。チームは完全に勢いを失い、その後2ヶ月勝利を挙げることができなかった。カウンター攻撃に特徴のある愛媛に粘り勝ちをすることは、今季のチーム作りの進化という点だけではなく、昨季のリベンジという意味でも大事になる。岸野監督の今季の口癖は「昨季の戦いを繰り返してはいけない」という言葉だが、横浜FCにとっては、過去を振り払う大事な戦いになる。

開幕戦ということで、様々なイベントが開催され、スタジアムグルメもより充実する。能田達規先生がニッパツ三ツ沢球技場に来場し、J2白書の販売も行われる。そして、16時開始のこの試合でJ2 10,000ゴールが生まれる可能性は高い。そして、日本に大きな影響を与えた、東日本大震災から1年。この日は、ニッパツ三ツ沢球技場でのホームゲームを楽しめることに感謝する試合になるだろう。その感謝を胸に、満員のスタジアムで、今季の横浜FCを後押ししてほしい。

以上

2012.03.10 Reported by 松尾真一郎
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

J.LEAGUE TITLE PARTNER

J.LEAGUE OFFICIAL BROADCASTING PARTNER

J.LEAGUE TOP PARTNERS

J.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES

TOP