★2012シーズン始動!ニューカマー・レコメンド
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ジュニーニョと川崎Fとサポーターとの関係は、おそらくはJリーグの歴史上、稀に見る幸せな関係として語り継がれるものだった。
03年シーズンに初来日し、川崎Fの一員となったジュニーニョは勝点1差でJ1昇格を逃すという悔しさを経験。この挫折をバネに、圧倒的な強さでJ2を駆け抜けた04年にジュニーニョは37ゴールを積み上げてJ1昇格の大きな原動力となる。そしてこの04年に始まった中村憲剛とのコンビがあったから、川崎Fは強豪クラブへの足場を固めたと言って過言ではない。日本でも随一の攻撃センスを持つ中村の前線にスルーパスを通す能力は、ジュニーニョの叱咤によって育まれたものであると中村自身が公言してはばからなかった。
この中村とのエピソードが物語るように、ジュニーニョはただ単に点を取るだけの選手ではなく、フットボーラーとしてのセンスを平均的に高く持つ選手だったのである。ゴールでチームに勝ち星をもたらす一方で、必要と有らば率先して選手だけのミーティングの開催を呼びかけ、チーム内の結束を高めようとした。川崎Fの成長過程の中に、ジュニーニョは確かに存在したのである。
2011年11月25日にクラブHPにて、ジュニーニョの契約満了が報じられると、サポーターはただただ悲しみに暮れた。川崎Fでの最後のシーズンとなった2011年は、9ゴールと不本意な記録にとどまるが、それでも小雨降る12月6日の等々力競技場での送別会には3,286名ものサポーターが足を運び、彼との別れを悲しんだ。それは、彼が残してきた実績の重みをサポーターがよく理解していたからに他ならない。
25歳で来日した若きストライカーは、すでに34歳になった。一旦裏に抜け出せば、そのままDFをちぎり、シュートにまで持ち込むという往年のスピードこそ衰えたが、その一方で左サイドを切り崩すスキルはJ1でも十分に通用するレベルにある。半身だけ体をずらし、左足を伸ばした状態で上げるクロスは大きな武器になるはずだ。
もしかしたら、新天地・鹿島で今季はゴールラッシュが見られるのかもしれない。ただ、そうでなくとも、ジュニーニョはゴールに絡む働きでチームに貢献できるはずだ。そして高い知性によりチームに必要なモノを察知するはず。そうしたピッチ外の働きも含めて、まだまだ活躍する余地は十分だと考える。
なぜ、川崎Fで現役を引退しなかったのか。そして、させなかったのか。本当に残念な選手である。03年からの9年間は、川崎Fにとってはあまりにも重要な9年間だった。そう思う多くの人々のためにも期待に応え、鹿島で活躍して欲しい。ただ、来日当時とは違い、ベテランの域に達した選手でもある。川崎F戦のタイミングでは、ゆっくりと休んでほしいと思う。そうしないと僕らは、ジュニーニョのプレーをどう受け入れればいいのか、わからない。がんばれジュニーニョ。川崎戦以外で。
以上
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2012シーズンキックオフ!
FUJI XEROX SUPER CUP 2012
3月3日(土)13:35キックオフ/国立
柏レイソル vs FC東京
※同日開催 NEXT GENERATION MATCH
10:40キックオフ
U−18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
※チケット好評発売中詳細は【こちら】
2012.02.04 Reported by 江藤高志