スタジアムへ足を運んだ来場者の皆さんには「試合が見たい」という欲求もきっと少なからずあったことと思います。またピッチに立った選手たちについて言えば、プロフェッショナルである以上ひとつのトレーニングマッチも無駄にはできなかったはず。自らのコンディションアップへの意識も非常に高く持っていたことでしょう。
しかし、その日鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアムに集まった全員の気持ちの最前列にあったのは被災された方々への想い─。徳島、岡山両チームの選手・スタッフ、ファン・サポーター誰もが「今できることを」と一番に考え、そしてそこで行動していました。
だからこそ被災された方々への応援横断幕には次々とメッセージが書き込まれ、ゲーム開始前の黙とうを告げるアナウンスが流れ始めるとすぐに1人1人が哀悼の意を表す姿勢に。さらにゲームを終えた選手たちはユニフォームを着たままスパイクを履いたまま義援金を募る列に加わって、皆さんへ善意をお願いし、真剣な眼差しでお礼の言葉を返しながらそれを受け取っていました。
3月19日は間違いなくみんなが気持ちを重ねた日でした。この気持ちが被災地へ届き、1日でも早く、1人でも多くの方が笑顔を取り戻してくれればと願います。
以上
★【J2日記】のバックナンバーはこちら
2011.03.22 Reported by 松下英樹