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【J2:第37節 徳島 vs 富山】レポート:今季のホームラストゲームを白星で飾った徳島。しかし、まだまだ次のステップへの挑戦は続く。(10.11.29)

11月28日(日) 2010 J2リーグ戦 第37節
徳島 1 - 0 富山 (16:34/鳴門大塚/6,103人)
得点者:68' 津田知宏(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 11/29(月)後09:00〜
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まず、何より、徳島は勝った。6千人を超えるファン・サポーターの後押しも力に変えて選手たちは気持ちのこもった戦いを展開。今季のホームラストゲームを白星で飾って見せた。

前半こそ富山が見せる落ち着いた戦いに手を焼いた徳島だったが、その終了間際に佐藤晃大が先制点かと思われる頑張り(富山GK橋田聡司と激しく競ってヘディングでネットを揺らすもキーパーチャージの判定)を見せると、それがスイッチになったかのように迎えた後半、チームはシフトアップ。開始20秒で早速柿谷曜一朗がスピード満点の飛び込みからあと一歩のシーンを作れば、以降もキレを見せる背番号13を中心にじわじわと富山ゴールへ圧力を掛けていく。そしてついに68分、その柿谷のスルーパスからPKを奪取。それをエース津田知宏がプレッシャーを跳ね除けてタフに沈め、徳島は待望の先制点をもぎ取った。
するとその得点は守備の集中にも好影響を与える。反撃を試みる富山の攻めに幾度か危険な形へもっていかれながら、ゴール前では三木隆司が統率するDF陣がいつも以上に身を挺したプレーで最後のところをブロック。また三木が「DFはよく我慢しているし、前の選手もしっかり切り替えられている」と話したように、前線の津田や佐藤から、柿谷、島田裕介もが懸命のコース消しと激しいアタックを続けていた。その結果、徳島は最後まで失点を許さずゲームを押し切り、この勝利を手中に収めることが出来たと言えよう。

いずれにしても、徳島は今季最後のホームで1年間支えてくれた多くの人たちに勝利というこれ以上ない結果を届けた。美濃部直彦監督も終了後の会見で「少し恩返しが出来たと思います」と話したが、チームが意地と執念をもってそれを果たしたのは間違いなく、事実試合後サンクスウォーキングを行う選手・スタッフを迎えたスタンドの溢れる笑顔はそのことへの喜びを強く感じさせていた。

しかしながら欲を言えば、今季目指していたひとつであるポゼッションでの崩しをもう少し見せて欲しかったというのが正直なところだ。確かにボランチの六車拓也と青山隼は精力的にセカンドを拾い、最終ラインからもよくボールを引き出して組み立ての糸口を探っていたし、さらに2トップも体を張って基点となるポストプレーを試みていた。だが、実際に得点シーンも含めていい形はほぼカウンター的なもの。富山の厳しい守備があったとは言え、マイボールにした後少しでも時間をかけてしまった時にはなかなか効果的な展開をし切れなかった。
そういう意味ではこの一戦はチームが次のステップへ進むために必要な部分を改めて認識させられたゲームだったとも言えるのではないだろうか。それだけに徳島は残る12/4の最終節(vs千葉)でもそれへの追求を継続し、組織としての一段でも高い積み上げをこの2010シーズンに残さなければならない。そうすればそれを足がかりに来季再び組織としての新しい前進を見せられるはずなのだから。

また、敗れた言え富山についても同じことが言えるように思われる。
このゲームにおけるチームの戦いは紛れもなく評価に値するものであった。序盤から見せた迷いのない組織的プレーは徳島を大いに苦しめ、「最後得点を取らないといけないので、リスクを恐れず果敢にチャレンジした彼らにさらに成長を見ることが出来たと思います」と安間貴義監督も称えるほど選手たちは最後まで闘志を披露したと言えるだろう。ただ、こちらはアタッキングサードでの仕上げにまだ幾らか足りないところが存在した。となれば、富山はそのバリエーションを増やし、精度を上げることが次の段階への宿題。今季の悔しさを来季晴らすためにどうしてもクリアしなくてはならない。
富山もチームとしての前進を求める旅は続く。

以上

2010.11.29 Reported by 松下英樹
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