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【J1:第28節 川崎F vs 磐田】プレビュー:残念な前節を払拭したい川崎F。出場停止選手が出る中、安定した戦いが出来るかが鍵となる。前田、ジウシーニョのコンビが冴える磐田は連勝でヤマザキナビスコカップ決勝に臨みたいところだ。(10.10.29)

10月30日(土)J1 第28節 川崎F vs 磐田(15:00KICK OFF/等々力チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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ピッチを濡らす雨の中で、実際に起きてしまった結果と向き合う姿は痛々しいものだった。2点のリードを勝利に結び付けられなかった大宮との試合後、明らかに選手たちは試合結果を引きずっていた。

どんなカテゴリーの選手であろうと、チームであろうと、常に聞こえてくる言葉のひとつとして「切り替え」がある。大宮戦後のミックスゾーンでは、自分の深層心理がどうであれ、表層的な言葉として川崎Fの選手からは「切り替えます」というフレーズが聞こえてきていた。もちろんそうしてもらわねばならない。ただ、そう簡単にできることなのか、という疑問が出てくるのも間違いなかった。勝点を2点落としたことのショックは、沈鬱な影をチームに投げかけていたからである。

そういう点でこの試合のポイントのひとつは、心理的な切り替えが出来ているのかどうか、にあるといえる。ひとつには勝点を2点落としたショックからの脱却。そしてもう一つ重要なのが、「守れる」という守備的な自信を取り戻せているのかという点であろう。ワールドカップ以降、正GKの座に座る相澤貴志は、出場してきた16試合で16失点、防御率で言うと1.0という数字を残している。日本代表の正GKとしてワールドカップ全試合に出場した川島永嗣が11試合20失点(防御率1.82)という成績だったことを考えると、これは決して悪い記録ではない。戦い方を多少アレンジしてきたということはあるのだが、川崎Fの選手たちは共通して「守れる」という自信や手応えを持っていた。そして前節の大宮戦は、その自信が揺らぐような試合内容だったというのも事実だった。

だからこそ、今の川崎Fには切り替えが必要なのだが、その一方で気がかりな状況が現実のものとなっていしまっているのである。その一つが、出場停止である。大宮戦で警告を受けた選手のうち、稲本潤一と森勇介の両選手が累積警告のためこの磐田戦は出場停止となった。ディフェンスラインと、ボランチの選手の出場が叶わないという点で、守備面が気になるところではあるのだが、どうなるのか。

ちなみに中村憲剛はそうした状況について「代わりに出る選手にはチャンスになる。そういう力はチームにとってはいいこと。出場停止は良くないことですが、ポジティブに捉えればそう考えられるところもある」と前向きなコメントを口にしていた。ちなみにこの出場停止を受け、代わりに出場が予定されている田坂祐介は「感覚が少し違う」との話を菊地光将にしているという。ただ、菊地自身は普段とは違うポジションでプレーする田坂とのコンビネーションについて「気にはならない」と話していた。

ちなみに川崎Fは出場停止選手に加え、ジュニーニョの状態が思わしくないという難しさを抱えている。左のふくらはぎに違和感があるとのことで、この試合も回避することが濃厚である。シーズン前に痛めていた箇所や症状とは別物で、長期の離脱にはならなさそうなのが救いではあるが、終盤のこのタイミングのケガに少々の不安が募るのも事実である。前節の大宮戦も、ジュニーニョが居てくれたらという場面が少なからずあったことを考えると、川崎Fにとっては大きな懸念材料である。

磐田とは先日戦ったヤマザキナビスコカップ準決勝で、等々力を舞台に煮え湯を飲まされている。そういう点でリベンジしなければならない相手だが、何しろ前田遼一とジウシーニョのコンビネーションが抜群である。特に前節の浦和戦で見られたジウシーニョのゴールシーンは、そのアシストとなった前田のプレーの素晴らしさが強く印象に残るものだった。磐田はこの2トップに対し、パスを供給する能力を持っていることとあわせて、気をつけなければならない。

また前節の大宮戦での2失点が、共にセットプレーがらみだったことを考えると、CKでの古賀正紘のヘディングも要注意ポイントであろう。警戒していたナビスコカップは準決勝の2試合で共に出場停止となっており対戦することがなかっただけに、磐田の選手としては初対戦となる。より注意深い対応が求められる選手であろう。

引き分けに持ち込まれた前節の悔しさ。そしてナビスコカップでの雪辱を考えれば、どうしても勝利しなければならない試合であるのは間違いない。等々力の声援を背に、勝点3を手にしてほしい試合である。

以上

2010.10.29 Reported by 江藤高志
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