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【J2:第31節 甲府 vs 愛媛】レポート:またしても小瀬で白星ならず。甲府は課題の改善見られず手痛いドロー。開始直後に失点しながらも、自分たちの流れで試合を進めた愛媛にとってはポジティブ・ドロー。(10.10.25)

10月24日(日) 2010 J2リーグ戦 第31節
甲府 1 - 1 愛媛 (14:04/小瀬/10,163人)
得点者:1' ハーフナーマイク(甲府)、45'+1 小原章吾(愛媛)
スカパー!再放送 Ch183 10/25(月)後10:30〜
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試合終了後、中央に整列する両チームの姿は、実に対照的だった。
1−1ドロー。同じ勝点1ずつを手にした。
だが、全員が握手で互いを讃えあう笑顔の愛媛と、素早く一列に並び、各々がっくりと俯く甲府。それぞれの試合結果の位置付けを、はっきりと物語っていた。

甲府が落胆するのも当然だろう。試合開始48秒、パウリーニョ、藤田健、吉田豊と右サイドで素早くつないで入れたクロスにハーフナー・マイクが合わせ、甲府は幸先良く先制したのだった。
形もまた、理想的だったと言えよう。ここ2試合、攻撃が中央偏重になりがちだったこと。加えて、分析から愛媛の両サイドが突きどころだとしていたこともあり、この試合へ向けた一週間のトレーニングでは、サイドを上手く使った攻撃を何度も繰り返し行ってきた。まさに、その形で奪ったのだった。練習・分析の成果をしっかりと試合で結果に表わす。チームにとっても非常に価値のあるゴールだったのではないだろうか。

そして、そのリスタートで得た間接フリーキックのロングボールにマラニョンが抜け出て、胸で押し込み早くも2点目・・・かと思われたが、これはハンドの判定を受け、ノーゴールとなる。
「あれがハンドじゃなくて2点目を取られていたら、たぶん終わっていた」と、愛媛DF小原章吾は振り返ったが、このシーンも含め、先制してから15分ほど続いた、押せ押せムードの時間帯で追加点を取れず、愛媛の戦意を喪失させることができなかったことが、結果として自分たちを苦しめることとなった。

点が入ったのがあまりにも早かったため、「焦りはまったくなかった」(愛媛MF越智亮介)、「逆にあまりに早い時間だったので、気持ちを切り替えることができました」(小原)という愛媛は、徐々に落ち着き、自分たちのリズムを作っていく。
その一方で、甲府は「追加点を取りに行くべきか、1点を守った方が良かったのか、どういうサッカーをすればいいのか難しかった」と吉田が話したように、積極的に攻めていくのか、セーフティに進めるのかの意識がチーム全体で統一できなかったため、連動性を欠いていった。

ボールがテンポよく回るようになった愛媛は、ジョジマール、内田健太の2トップが確実にボールを収め、そこからサイド、中央とバランス良く展開していく。
そして、愛媛ペースで迎えた前半ロスタイム、CKのこぼれ球を「狙い通りと言えば狙い通り。ラッキーでした」ファーに詰めた小原が頭で突き刺し、同点とした。

後半は、互いに点を奪いにいく展開。となると、やはり攻撃力で分のあるのは甲府だ。養父雄仁、大西容平、柏好文と、それぞれ前線に圧力をかけられ、流れを変えられる選手を次々と投入し、何度かゴール前のチャンスを作った。
だが、愛媛も、アライール、小原の両センターバックを中心に、チームカラーである『堅守』を証明して見せ、結局、1−1のままスコアは最後まで動かなかった。

現在の順位、ホームとアウェイの差など、互いに置かれている状況が違うため、求められる結果もそれぞれだろう。だが、甲府、愛媛で試合後の表情に大きな差があったのは、「対相手」ではなく、「対自チーム」に対してどれだけの内容ができたのか、だったのではないだろうか。

愛媛は第16節の千葉戦、この試合と同じように試合開始直後に失点し、その後立て直すこともできず3失点を喫した。しかし、今回は「失点後に大きなチャンスを与える場面も何度かあったが、今日非常に良かったのは、その後ポゼッションが自分たちに返ってきたこと。そこは、選手たちを褒めるべきところだと思います。そして、それを最後までキープできました」と、成長を見せた選手たちを、バルバリッチ監督は讃えた。

対する甲府は、同じ勝点1をとったものの、ここ何試合も続き、最大の課題としている得点直後、前後半立ち上がり、終了間際の失点を、またしても繰り返してしまったことで、反省の念は深い。
また、内田一夫監督は「シーズンを通じてゲームの入り方、90分のゲームの終わらせ方というのは、何度も痛い経験をした。みんなが声を掛け合って、ゲームの流れを読んで、今は守る時だということをやっていかなければいけない」と、試合の運び方についての問題点も言及。「それをしたたかにやりきれる集中力といのが高いチームが、最終的に勝ち進めるチームだと思います。もっともっとタフに、見習って学んでいかなければいけない」今後、残り6試合の最大のテーマとなるだろう。

去年の悔しさを活かすためにも、この勝点1を無駄にしてはならない。
次節は、4位・千葉との大一番が待つ。自分たちがJ1に相応しいチームかを試すのに、千葉は格好の相手だろう。昇格へ向けて、甲府はいよいよ本当の意味での正念場を迎える。

以上

2010.10.25 Reported by 上岡真里江
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