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【第90回天皇杯3回戦 新潟 vs 町田】レポート:新潟は田中亜土夢の2ゴールで逃げ切り。町田は追い上げるも及ばず。(10.10.10)

10月9日(土) 第90回天皇杯3回戦
新潟 2 - 1 町田 (13:04/東北電ス/5,645人)
得点者:24' 田中 亜土夢(新潟)、45'+1 田中 亜土夢(新潟)、49' 太田 康介(町田)
チケット情報天皇杯特集
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新潟が町田を2-1で下し、4回戦進出を決めた。FW田中亜土夢が2得点。前半24分に先制のヘディングを決めると、前半ロスタイムにはクロスを押し込んで追加点を挙げた。町田は後半4分に太田康介のゴールで追い上げたが、前半の2失点が痛かった。

新潟サポーターの歓声に応えるように、田中がガッツポーズを見せた。前半24分、左サイドの内田潤からのクロス。「ニアでつぶれようと思っていた」。ペナルティーエリアの左よりに位置していたが、ボールはぴったりのポイントに。「いいボールがきたので、そのまま流した」。ダイビング気味に頭であわせてゴールに流し込んだ。

田中にとっては、2008年9月のリーグ戦第26節神戸戦以来の公式戦のゴールだった。2年かけて決めたゴールだが、その次の得点は、わずか22分後に訪れた。西大伍の右サイドからのグラウンダーをゴール中央で待ち構えて押し込んだ。「マイナスのボールがくると思っていたら、相手に当たって目の前に転がってきた。ラッキーでした」。1試合2得点はプロ入り初。新潟はリーグ戦で5試合未勝利中と低迷している。待望のゴールは、チームに9月5日の天皇杯2回戦金沢戦以来の公式戦勝利をもたらした。

リーグ戦ではここ2試合連続してFWでスタメン出場中だ。だが、いずれも無得点。「FWで出るからには得点をしないと」。ゴールを奪えず、悔しさが焦りにつながる。その悪循環に陥りかけた。ただ、結果が出なくても、失わなかったのがシュートへの集中力だった。「インサイドで正確に打つ。枠に飛ばすことに集中した。枠に飛ばないと、セカンドボールを押し込むこともできない」。普段の練習ではそんな基本を忘れずに取り組んだ。

積み重ねの成果が現れた。「結果が出ていなかったが、練習から前向き」。田中を起用し続けた黒崎久志監督は、日ごろの姿勢を評価した。そして「この結果を続けてほしい」と引き続き期待をかけた。田中もそれは感じている。「2得点はうれしい。でも、もっと取れた。僕だけじゃなくチームとしても。次はきっちりと決めたい」。上昇ムードを確かなものにするために、次戦のリーグ戦第26節名古屋戦でも結果にこだわる。


町田は意地を見せた。後半4分、左サイドを突破した太田康介が、勝又慶典と連係してペナルティーエリア内に鋭く進入。最後は右足でシュートを決めた。後半はその後もカウンターから一気にゴールに迫った。だが、新潟の粘り強い守備にはね返され、追いつくことができなかった。

「後半のような試合が前半からできていれば」。相馬直樹監督は厳しい表情で言った。試合の立ち上がりはアグレッシブにボールを奪いにいった。だが、それ以上にボールに仕掛けてくる新潟の圧力に次第に押された。その流れで先制され、追加点を奪われた。

後半はプレスのスピード、かける人数とも申し分なかった。相馬監督は「怖がらなければ、きちんとプレーできる」と、悔しさと収穫を背中合わせで表現した。もっとも、JFLで披露している攻守にスピーディーなスタイルは、J1を脅かすレベルにあることは証明した。

新潟は白星をリーグ戦での再浮上のきっかけに、町田は敗戦をプレーの精度をより高める刺激に。この試合が意味のあるものにするために、それぞれのカテゴリーでの次戦が重要になる。

以上

2010.10.10 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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