10月10日(日)ヤマザキナビスコカップ 清水 vs 広島(15:00KICK OFF/アウスタ)
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このところ清水の試合に関しては“大勝負”という言葉を何度も使っているが、今度の試合も本当に本当の“大勝負”。2年ぶりのナビスコカップ決勝進出をかけた広島との準決勝第2戦。アウェーでの第1戦は1-2で敗れたが、今回のホームゲームでは1-0で勝てば決勝に進むことができる。ただ、引き分けでは敗退が決まり、広島に1点でも取られた場合には2点差以上で勝たなければならない(2-1で90分が終わった場合には、延長あるいはPK戦で決着)。
いずれにしても、今年こそ何かひとつでもタイトルが欲しい清水にとっては、どんな形であっても決勝戦に進まなければいけない“大勝負”であることは間違いない。その気合いの表われのひとつが、金曜日に今季初めて報道陣までシャットアウトした完全非公開の練習を行なったこと。しかも今回は選手への取材にも制限がかかり、試合前に情報が外部に漏れることを徹底的にシャットアウト。それと同時に、選手たちの集中力を高めることを狙った。
したがって、今回は第1戦のようにメンバーやシステムの予想をすることはできないが、右太ももを痛めて離脱していた藤本淳吾が出場できる可能性が高くなったのは明るい材料だ。また、今週前半の練習を別メニューで行なっていた小野伸二(足首痛)、フローデ・ヨンセン(かかとの痛み)、エディ・ボスナー(風邪)らも、出場に大きな支障はなさそうで、岩下敬輔の出場停止も解ける。日本代表の岡崎慎司と本田拓也は不在ながら、戦力低下を最小限に抑えることはできている。
広島のほうも、日本代表で西川周作と槙野智章、出場停止で横竹翔と、守備陣の主力3人を欠くため、メンバー的に清水がとくに不利ということはないだろう。
そんな中で、清水にとってまず重要になるのは、失点をゼロに抑えることだ。第1戦では、遅攻と速攻のメリハリがはっきりしている広島に対して、遅攻と速攻の両面から1点ずつ奪われているため、守備の修正を欠かすことはできない。広島の遅攻に対しては、「広島はディフェンスの選手がボールを持ち運んでくることが多い。そのときに、どのタイミングでアプローチかけるかとか、どうズレて対応するかというのが(第1戦では)少し難しい面があった」(伊東輝悦)ことによって、守備のブロックを整えていながらもシュートまで持ちこまれるシーンが目立った。その部分の修正をどう行なっているかというのは、守備面での大きな見どころとなるだろう。
また、広島の速攻に関しては、1本のパスで李忠成に裏に飛び出されるシーンが目立ち、それが2失点目にもつながってしまった。その点に関しては「パスの出どころにプレッシャーをかけて、出されるにしてもコースを限定することが大事。あとは僕らがしっかり対応して起点を作らせないようにしたい」とセンターバックの平岡康裕は語る。
もちろん、第1戦で表われた課題の修正は、1週間のインターバルできっちりと取り組んできた。その成果を本番でしっかりと見せられるかどうかに注目したい。
攻撃に関しては、広島が引いて人数をかけて守ってきたところを、いかに崩すかが最大の課題。広島としては0-0でも決勝進出が決まるため、しっかり守ってカウンターという状況は、第1戦以上に多くなると予想される。だからこそ、カウンター対策という意味でも、シュートで終われる形をどれだけ多くできるかがポイントになる。
「そういう話も選手たちにはしてきているので、実際に試合でやれるかどうか」と長谷川監督は語っており、「自分もどんどん(ミドル)シュートを狙っていきたい」(小野)と選手たちもゴールを狙う意識を強調する。
また、セットプレーに関しては、清水に優位な面もあるはずなので、そこもぜひ生かしたいところだ。
「状況によってはたくさん点を取らなければならないので、それを踏まえて交代のやり方も考えている」(長谷川監督)ということだが、そこはマル秘の部分。清水がどんな布陣、どんな攻め方で広島の守りを崩していくのか、試合が始まってからの楽しみとしたい。
95年8月以来、清水は15年間アウスタで広島に負けていないが、今回は“負けない”というだけでは決勝に進むことができない。当然、戦術やコンディショニングだけでなく、勝ちたいという気持ちの強さも大きく勝敗を左右するはずだ。その意味でも清水の選手たちは、サポーターと一体となってホームの意地を見せつけなければならない。
以上
2010.10.09 Reported by 前島芳雄