9月11日(土)J2 第25節 柏 vs 富山(19:00KICK OFF/柏)
スカパー!生中継 Ch184 後06:50〜
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天皇杯2回戦を大勝で飾り、柏は幸先良く9月の公式戦スタートを切った。リーグ戦ではないが、中断明け以降では初めての日立台の勝利となり、大学生が相手だったとはいえ林陵平と工藤壮人、この若き2トップに初のアベック弾も生まれた。
「ボールを下で繋いでいくことが我々のサッカーでリズムができてくる。それができるようになってからペースが掴めて、ボールも人もよく動いてチャンスが作れた」と、前節北九州戦後にネルシーニョ監督が分析したように、柏の生命線は中盤のパスワークと両サイドバックが高く位置を取るワイドな攻撃にある。工藤と林はポストワーカーとしての役割もこなせるため、第5節の水戸戦で初めてコンビを組んだ時にはポジショニングが重なる場面が見受けられたが、天皇杯2回戦では縦に入るくさびのパスや、外からのクロスボールに対する2人の動きに著しい改善が見られ、それが大量得点の引き金にもなった。ただ、大学生相手だった天皇杯ではなく、リーグ戦で高いコンビネーションを発揮してこそ正当な評価が下るというもの。
今節出場停止の右サイドバック、小林祐三の代わりは村上佑介が有力。おそらくその他の入れ替えはないと思われる。第23節の甲府戦以降、中盤をダイヤモンドにした4−4−2を採用し、それが機能して結果にもつながっている。したがって今節もまた、アンカーに栗澤僚一を置き、右に澤昌克、左に大谷秀和、トップ下にレアンドロ・ドミンゲスという並びになることが妥当だろう。状況次第では大谷がアンカーに下がるか、あるいは栗澤、大谷のダブルボランチへシフトチェンジの対応策が取れる柔軟な点も、この新システムの強みでもある。
一方の富山は、天皇杯を含めた最近の公式戦5試合で1分4敗、順位も17位と苦しい状況下にある。しかし、前節の福岡戦は非常に良い形でゲームに入り、鋭い攻撃から度々福岡の守備陣を翻弄した。福岡戦後、「先制点は奪えている。追加点を取れるように、下を向かずにやっていきたい。点が取れているからこそ次の段階に進むことができる」という楚輪博監督の言葉どおり、富山は次の段階へ進むため、先制点を奪った後の戦い方が重要なポイントになりそうだ。
福岡戦では上園和明が、天皇杯2回戦横浜FC戦では朝日大輔が、それぞれ負傷で途中交代をしているため、その状態が気掛かりだが、朝日の力強いドリブル突破と、ボールが収まり攻撃の起点になりうる上園の存在は柏にとっては脅威以外の何物でもない。徹底したカウンターから先制点を奪い、難攻不落とされる柏のホーム日立台で勝ち切ることができたならば、今後の巻き返しに弾みはつくはずだ。
柏のポゼッションに対する富山のカウンターという鮮明なコントラストが生じるため、勝敗の鍵は富山が設定するボールの「奪いどころ」でのせめぎ合いだろう。高い位置へと攻め上がる柏の両サイドバックが中途半端な形でボールを奪われる、あるいは中盤から勝負の縦パスが前線の入った時に2トップがボールをキープできずに失えば、富山のカウンターが発動する。柏がその「奪いどころ」を凌駕できるだけの質を見せ、結果を得ることができるか、注目したい。
以上
2010.09.10 Reported by 鈴木潤
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