今年もJ's GOALでは、全クラブのキャンプ取材を実施します。
レポートに加えて、動画でトレーニングの様子や、選手の生の声をお届けする予定です。監督はもちろん、気になるあの新加入選手のインタビューなど、2月下旬までの間、取材をしていきますので、お楽しみに!
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九州などへのキャンプには行かず、水戸にとどまって調整を続ける水戸。これまでフィジカル中心のトレーニングを積んできたが、28日、埼玉県大学1部リーグ所属の平成国際大学を相手に今年初めての練習試合を行った。
注目されたのは、フォーメーションだ。以前から木山隆之監督は「選手が替わり、立ち位置が変わると思う」と語っていたように、昨年までの4−4−2ではなく、4−2−3−1に変えて挑むこととなった。記念すべきファーストマッチのメンバーは以下の通り。
GK:本間幸司(30分原田欽庸、60分小野博信)
DF:藤川祐司(30分保崎淳)、星野圭佑(30分加藤広樹)、大和田真史(60分星野圭佑)、森賢一(60分藤川祐司)
ダブルボランチ:村田翔(60分中村英之)、中村英之(30分西岡謙太)
攻撃的MF:吉原宏太(45分鶴野太貴)、遠藤敬佑(45分常盤聡)、小池純輝(45分島田祐輝)
FW:片山真人(45分白谷建人)
()内は交代時間と交代選手
★試合結果(水戸公式サイト)
ちなみに大橋正博、森村昂太、下田光平はけがのため、作田裕次、大塚翔太は学校行事のため欠場した。
試合がはじまると、水戸はアグレッシブに攻める姿勢を見せた。ルーキーの村田を中心にサイドを効果的に使いながら攻め立てる展開を作った。しかし、平成国際大学の粘り強い守備をこじ開けることができず、徐々にリズムを失っていく。そして、相手の勢いが上回りだし、27分に中央を崩されて失点をしてしまう。38分に右サイドを突破した吉原からの折り返しを遠藤が決め、同点にするものの、そのシーン以外はいいところなく、前半を終えた。
後半、水戸は大幅にメンバーを入れ替えて臨んだが、コンビネーションが悪く、相手に押し込まれる時間が続いた。そして、56分にサイドを崩されて失点。またしてもリードを許してしまう。71分に左サイドを抜け出した島田からの折り返しを白谷が押し込んで同点に追いつき、なんとか敗戦は逃れたものの、内容的に乏しいゲームであったことは否めない。
特に目立ったのは、守備の連動性のなさである。前線からプレスをかけることができず、ボールを高い位置で奪えないため、DFラインが下がることとなってしまっていた。全体の重心が後ろに寄ってしまったため、攻撃の形も作り出すことができなかった。
しかし、いかんせんチームは始動したばかり。現在はフィジカル中心のトレーニングを積んでいる最中で、選手たちは「頭と体がバラバラ。体が言うこときかない」(大和田)状態であった。内容を求めるほうが酷だろう。実際、木山隆之監督は試合前も試合中もハーフタイムにも指示を出さず、「観察していた」(木山監督)という。まず最初の試合で選手たちがどれだけできるのかを見極め、そして選手にとってはお互いのコミュニケーションを深めるための試合だったのである。この試合で出た課題を1つ1つ克服していけば、チームは間違いなく前進していくことだろう。「大幅に顔ぶれが変わって、これからみんなでチームを作っていく。1つ1つ課題をクリアしていくことが大事。多少苦労するだろうけど、大丈夫だと思いますよ」と木山監督は笑顔を見せた。
ただ、その中で1人眼光鋭くチームを見つめていた選手がいる。村田翔だ。「体がきつくても実力は実力。大学生相手に引き分けではダメでしょう。チーム内に『体がきついから無理だよ』という雰囲気があった。ピッチに入ったら、そんなの関係ない。そういう意識でないと勝てないと思う」と悔しさをにじませた。ルーキーながらこれだけはっきり物事を言う選手は珍しい。おそらく木山監督のもと、チームは徐々に形になっていくに違いない。しかし、この段階でこれだけ危機感を持っている選手がいること、そしてそれが若い選手であることは、このチームに大きな可能性を感じさせる。「目指しているところはもっと上ですから」。そんなちょっと生意気な言葉を平然と口にするところが魅力の村田。いろいろな意味で、今季の水戸のカギを握る存在となりそうだ。
以上
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2010.01.28 Reported by 佐藤拓也