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【キリンチャレンジカップ2009 日本 vs トーゴ】プレビュー:W杯までの8か月をスタートさせた日本代表。相手を圧倒する運動量と低くて早いクロスからの得点に期待(09.10.14)

10月14日(水)キリンチャレンジカップ2009 日本 vs トーゴ(19:30KICK OFF/宮城ス)
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スコットランドのメンバー編成がどうであれ、日本代表は貫いてきたスタイルを存分に発揮した。状況を判断しつつ、プレスを仕掛けるべき場面を選手が判断し、スコットランドを完全に封じ込めた。チャンスは作るが点が決まらないという展開は、オランダ遠征時のオランダ戦を思わせるものがあったが、体格差を利用された失点もなく、スコットランドのシュート数を1本に抑える事に成功した。岡田武史監督は相手が弱かろうと強かろうと、自分たちのサッカーをやり抜くのみだとしていたが、まさにその言葉どおり常に相手を圧倒し続けての快勝となった。

このスコットランド戦で最も賞賛されるべきは、得点に至る過程であろう。どのレベルの相手であっても、中央から強引に突破するのは難しい。しかし、サイドであれば崩しようはある。ただ、サイドを破り、何の変哲もないクロスを上げるだけでは得点の可能性はそう高いものにはならない。だから岡田監督は低くて早いクロスに活路を見出したのである。あのスコットランド戦で、オウンゴールによる1点目が決まったときも岡田監督は普段と変わらず喜びの表情を見せていた。「オウンゴールなんだから素直に喜べない」という指導者もいるのかもしれないが「駒野(磐田)が練習通りの非常にいいクロスをあげてくれた」事を高く評価した上での喜びだった。また、あそこで相手選手が触らず、ボールが抜けていたとしても「後ろには森本(カターニャ/イタリア)がいたので高い確率でゴールになっていたと思う」と手放しでほめる得点となった。
香港戦に続いて行われたスコットランド戦で、日本代表は狙い通りの戦いで快勝した。岡田監督が言うところの中堅選手と、新加入選手を思い切って起用する事で出場機会の少ない選手に実戦の場を踏ませ、その上で結果も出した事になる。この2試合の流れを見れば、トーゴを相手としたこの3試合目の見所として香港戦とスコットランド戦で活躍した選手の融合に期待したくなる。

考え方は2通りある。1つは今ある長所を伸ばすというアプローチである。たとえばJリーグでも代表でも好調の岡崎慎司(清水)を誰と組ませるのか、という視点であったり、中村俊輔(RCDエスパニョール/スペイン)によさを引き出してもらうためのコンビネーションの追求という視点である。つまり現時点での主力選手を機軸に、そこにいわゆる中堅選手や新しい選手を組ませるという考え方である。
岡崎の動き出しを間近に見る事で、森本貴幸に何らかの啓示が与えられるかもしれない。中村憲剛(川崎F)からのスルーパスを受け、裏のスペースを突き続けた石川直宏(F東京)のコンビが光っていたように、熟成が進む岡田監督の戦術の中で、佐藤寿人(広島)が中村俊輔のパスをどう引き出すのか。香港戦に続き、もう少し長い時間見てみたいという気もする。
熟成を進めるのもいいが、時には新しい血を導入し、変化を期待するのもいいだろう。二重らせん構造のDNAが生物に進化という名のブレイクスルーをもたらしたように、思いがけない組み合わせが日本代表に希望をもたらすかもしれない。この試合では、そうした新しい組み合わせに挑戦してもらいたいと思っている。

その一方で、もう1つの考え方をするとすれば、あえて主力選手を外すというやり方もあるだろう。先日の香港戦では玉田圭司が左肋軟骨を骨折したように不測の事態がいつ日本代表を襲うとも限らない。だからこそ、部分部分の主力選手を入れ替え、新しいコンビネーションで最初から試合をスタートさせるのもありだろうと思っている。ケガや出場停止といった損失を補うという視点である。
いずれにしても、岡田監督はメンバー選考に頭を悩ませていると伝えられている。そんな中、姿を現す11人の選手たちがどのようなプレーを見せてくれるのか、注目したいと思う。

対戦するトーゴだが、2010年W杯の予選ではすでに敗退が決定。その影響もあり、当初予定されていた来日メンバーからは大きく選手が入れ替わるという状況にある。エマニュエル・アデバヨルの来日もキャンセルされており、そういう部分では残念である。ただ、その件については岡田監督も理解を示して「相手がどうであれ、我々がやる事を90分間やり通すという事が一番大事だと思っています」と話しており、自分たちのサッカーを貫くという方向性で試合に臨む事になりそうだ。アフリカ人選手に特有の身体能力を前面に押し出したサッカーが予想され、スコットランドと同様、高さのあるチームとの対戦におけるサイド攻撃による得点シーンにも期待したい。

スコットランド戦と同様、相手に付け入る隙を見せないプレッシングサッカーが期待される試合であり、実際に運動量で相手を圧倒する内容を見せてもらいたい。

以上


2009.10.13 Reported by 江藤高志
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