10月3日(土)J1 第28節 清水 vs 広島(13:00KICK OFF/アウスタ)
スカパー!生中継 Ch180 12:50〜(解説:田中孝司、実況:桑原学、リポーター:真鍋摩緒)
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首位・鹿島に勝点1差まで迫り、今節で首位に立つ可能性も出てきた清水。ただし、今度の相手は、ここ10試合で6勝3分1敗と好調で、暫定4位の広島。清水としては、残り7試合での逆転優勝に向けて、ひとつ大きな山場となるホームゲームを迎えようとしている。
ただ、清水が試合に臨むスタンスは、まったく変わることはない。長谷川健太監督は残り10節となった時点で、選手たちに「残り10試合、全部勝って優勝しよう」という話をしており、そこから3連勝。「目の前の試合にひとつひとつ集中して勝っていくだけ」という意識は、チーム全体で共有できている。戦い方に関しても、日本代表に初選出された岩下敬輔が「相手がどこであっても、今やれていることを続けるだけ」と語る通りで、この点に関してもチーム内で意思統一ができている。
もちろん、今の清水が持っている力をそのまま出せれば、結果は自ずとついてくるという自信も、チーム全体にみなぎっている。客観的に試合内容を見ても、今の清水がチームとしてうまく機能しているとき、それを倒すには対戦相手も相当な力を発揮しなければならないだろう。相手に主導権を握られても、ゴール前の守りは非常に堅く、そこからのカウンターもある。逆に、相手に守りを固められた場合でも、ヨンセンの高さを生かしながらサイド攻撃やセットプレーで何とか1点を奪い、それを守りきる力がある。相手のカウンターに対する備えもスキがなく、それが9月のすべて1-0での3連勝に結びついた。
そう考えると、まずは「いつも通り」のプレーができるかどうかが、清水の大きな注目点となる。前節の神戸戦では、前半は「少し硬さがあって攻撃が単調になってしまった」(長谷川監督)という面が見られたが、そこは神戸のカウンターを警戒してセーフティーにプレーする意識が強かったことも一因となっていた。広島との戦いでは、神戸戦ほどカウンターを恐れる必要はないかもしれないが、ここからは一戦ごとに試合の重みやプレッシャーは増していく。その中で「いつも通り」にやるのは簡単ではないだけに、選手たちがどれだけミスやリスクを恐れずに思いきったプレーができるかという部分は、重要な見どころのひとつとなる。
その意味では、広島が攻撃的なチームである分、今回はやりやすさもあるだろう。過去3戦は、相手が守りから入ってくるタイプのチームで、それを攻め崩すのとカウンター対策に苦労させられたが、今度はがっぷり四つに組み合うことができそうだ。
ただし、広島の攻撃は非常に多彩で、無失点に抑えることは容易ではない。パスワークの鮮やかさはリーグ1、2を争うレベルで、相手に守りを固められても、それをパスで崩す力を持った数少ないチームのひとつ。その他にも、佐藤寿人のタイミング良い飛び出しから一発で裏をとることもできるし、サイドからはミキッチや服部公太から精度の高いクロスが供給される。さらに、3バックの槙野智章や森脇良太まで積極的に攻撃参加して、バリエーション豊かな攻撃を仕掛けてくる。現在リーグ2位(暫定)の得点力は伊達ではない。
清水としては、ここ3試合は攻め込まれる時間が少なかったが、今度の試合では警戒しなければいけないポイントが一気に増えてくる。そのため、少しでも集中力を欠いてしまうと、やられる恐れがある。広島の攻撃力と清水の守備力、お互いに武器のぶつかり合いも、非常に楽しみなところだ。
広島の現状は、守備陣に故障者が多く、前節まで3バックの中央を務めていた中島浩司が出場停止と、DFラインのやりくりに苦しい面がある。今節では、森崎和幸とストヤノフが復帰してくる可能性があるが、いずれにしてもぶっつけ本番。その中で、攻撃陣も好調な清水の攻めをどう抑えるかが、広島にとっての大きなポイントになりそうだ。ただ、ここで敗れてしまうと清水と勝点8差になり、タイトルが一気に遠のいてしまうだけに、何としても先に点を取って勝利につなげたいという思いは清水と同じはずだ。
前回の対戦(第9節/広島ビッグアーチ)では、お互いに1点を取ることができず、スコアレスドローに終わったが、清水のホームで戦う今回は、もっと攻め合いになる可能性が高い。お互い絶対に勝点3が欲しい大一番は、本当にスリリングな熱い戦いになることだけは間違いない。
以上
2009.10.02 Reported by 前島芳雄