6月20日(土) 2009 J1リーグ戦 第14節
G大阪 0 - 2 新潟 (15:35/万博/18,404人)
得点者:31' 矢野貴章(新潟)、82' マルシオリシャルデス(新潟)
スカパー!再放送 Ch183 6/22(月)11:00〜(解説:川勝良一、実況:寺西裕一、リポーター:竹島麻里子)
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FWレアンドロ、MF遠藤保仁、MF明神智和をケガで、DF山口智を出場停止で欠いた中で迎えた新潟戦。攻守の軸とも言える主力の不在を言い訳にしたくはないだろうが、明らかに、G大阪の攻撃力は精彩を欠いた。ビハインドを負った後半こそ、引いた新潟に対して前がかりに試合を進めたものの、堅く閉ざされた新潟の守備を揺さぶり、切り崩すような攻撃は見られず。前半8本、後半9本と数多くのチャンスを得たコーナーキックのチャンスでも、ポストに嫌われるなど最後までDF高木和道を加えた『高さ』をゴールには結びつけることはできなかった。
全ては新潟が31分に奪った『先制点』にあったと言えるだろう。DF内田潤の右サイドからの展開から、左ポスト前でMF松下年宏が頭で折り返し、FW大島秀夫を経由したボールをエース、FW矢野貴章が決める。DF高木和道、DF中澤聡太を中心にしたDFラインにとっては、そこまでピンチを招いたシーンもありながらも落ち着いた対応をみせていただけに、悔やまれる失点。試合後、今季リーグ戦初先発のDF高木は「先に点を獲られると苦しくなる。入りは良かったと思うし、危ない場面もみんなで身体を張れていたとは思いますが、決定的チャンスを決められるか、決められないかの差が出た」と悔しさをにじませた。
しかもこの『先制点』によって新潟の守備はより堅く閉ざされた。特に0−1で迎えた後半、G大阪はMF倉田秋に代えてFW播戸竜二を、MF安田理大に代えてMF二川孝広を同時に投入。『攻撃』の姿勢を前面に押し出す中で、実際に攻勢に進めたが、先手を獲り、精神的にも優位に立った中で、新潟の『守備意識』はより強固になるばかり。「相手が攻めてきた分、CKのチャンスを多く作られた。ただそこでマークをはずさずに、0で終われたのは大きい」と振り返ったのは、先制点のみならず守備での貢献度も高かったFW矢野貴章だが、セットプレー以外ではそう危ないシーンを作られなかったとはいえ、最後まで新潟の守備意識、全員の意思統一は揺らぎをみせなかった。
更に言えば、前がかりに試合を進める中で奪われたカウンターからの新潟MFマルシオ・リシャルデスによる追加点も『先制点』がもたらした産物とも言える。この2点目についてはG大阪の守備が崩壊したというより、MFマルシオ・リシャルデスの得点力が上回った印象だが、少ないチャンスでも確実に決める得点力は明らかに試合の明暗を分けるものであり、新潟が最後まで貫いた『組織力』はG大阪から勝点3を奪うに値するものだった。
これでG大阪はリーグ戦において3試合連続、無得点。現時点でチーム最多得点を誇るFWレアンドロがケガで離脱中とはいえ、その層の厚さを思えば「そこが一番深刻ですね。3試合続くというのは、レアンドロが抜けたからということだけではない。そこは去年と同じ傾向にあるというか…一人抜けてこうなるのは、要するに人に頼っているということだと思う。形やオプションをたくさん持っていかないといけない」と西野監督。その言葉にあるように、個に頼る攻撃力ではなく、『組織』で切り崩す攻撃力が上がっていかなければ、この状況からは脱することは出来ない。そのことは、昨年の戦いの中でも十分に学んだはずだが…。
以上
2009.06.21 Reported by 高村美砂