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【J2:第22節 熊本 vs 栃木】プレビュー:10試合勝ちから遠ざかっている熊本が3連敗中の栃木を迎える。ポイントはお互いに、自分たちがやるべき事をやれるかどうか。(09.06.21)

6月21日(日)J2 第22節 熊本 vs 栃木(13:00KICK OFF/水前寺)
スカパー!生中継 Ch183 12:50〜(解説:池ノ上俊一、実況:山崎雄樹、リポーター:山田法子)
勝敗予想ゲーム
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 熊本は前節、今シーズン最多失点で甲府に敗れた。しかし、北野誠監督が試合後に「最初の2点は余計だった」と語った通り、簡単に突破を許してクロスを入れさせたり、ファーサイドに入ってくるストライカーをフリーにしたりと、早々にビハインドを負う展開に持ち込んでしまったことや、リスタートでの集中を欠いて追加点を献上し反撃の勢いをも自ら削いでしまうなど、敗れた要因は、まずは内にあったと言わざるを得ない。そういうわけで、今週のトレーニングで熊本がやらなければならなかったのは、「ゴールと相手を結ぶ線上にポジションを取るとか、本当にディフェンスの基本的な部分」(北野監督)の確認だった。

 対する栃木は前節、グリーンスタジアムにクラブ史上最多となる15,000人超の観客を集めながら、鳥栖に0−5と屈辱的な敗戦を喫し現在3連敗中。開始7分に先制の被弾、後半立ち上がりのオウンゴール、終盤の立て続けの失点と、ゲーム運びの拙さが感じられたが、これは熊本にも言える事。つまりこの一戦の焦点は、お互いに「自分たちがやるべきことをどれだけピッチで出せるか」という点に凝縮される。栃木としては、第1クールで終盤に追いつかれた相手と決着をつけるというよりは、「前節ホームで失った信頼を取り戻すための一戦」との思いで熊本に乗り込んでくるだろう。

 これまでのシンプルでスピードのある攻撃に、落ち着いてボールを動かしながら好機をうかがうポゼッションの要素を加えつつある栃木だが、鳥栖戦では早いプレスに対してロングボールが多くなってしまい、リズムを作れなかった。しかし第1クールの対戦を振り返っても分かるように、出どころへのアプローチが甘ければ、ゴールを許した河原和寿や稲葉久人、さらにはボランチの鴨志田誉も高いラインの裏のスペースを狙って果敢に飛び出してくるはず。
 こうした飛び出しをしっかりつかまえることはもちろんだが、攻めている時のリスク管理と攻守の切り替えも鍵。この点について北野監督は「危機管理というか、どこが危ないのかを感知することが大事」だと話し、上村健一コーチが連日しつこく「しゃべれ!」と言っているように、しっかりとコミュニケーションを取ってカバーしあうことでしか、12試合連続失点中という不名誉な記録は止められない。前節不在だった市村篤司と原田拓の両SBがおそらく戻ってくるが、熊本としてはここで栃木の両サイドを押し込む事ができるかもポイントとなる。

 中盤の攻防が試合の趨勢を左右しそうな試合においてもうひとつ見所となりそうなのが、スコアの動向だ。Jリーグの公式サイトにある時間帯別得失点のデータを見ると、熊本が34点のうち10点(29.4%)、栃木は32点のうち12点(37.5%)と、両チームとも総失点に占める“残り15分”の失点の割合が異常に高く、最後まで目を離せない展開になることが予想される。一方、栃木は開始から30分までの失点が総失点のわずか9.3%(32点中3点)と、J2随一の少なさを誇る(割合ではトップ。失点数でも仙台に継いで2番目に少ない)。
 これに対して熊本の30分までの得点は5。先制した4試合では未だ無敗という結果もあり、早い時間にリードを奪うことが、長いトンネルを抜けるための第一歩となりそうだ。逆に開始から30分までの失点は34点中9点と、データ上は3割以下に留めているが、先制されると全体が消沈してしまう傾向が顕著なだけに、立ち上がりに集中してゲームに入らなければ、同じ轍を踏みかねない。

 10試合勝ちがないというのは、結構な緊急事態ではある。だが、やれること、やるべきことを完遂していないのであれば、まずはそれをやる必要がある。ここ数試合で目につくのが、笛が鳴ってないのにプレーを止めようとしたり、逆に鳴ったからといって気を緩めたりしてしまう(ように見える)シーン。笛が鳴らないとアウトオブプレーにはならないし、笛が鳴らなくてもインプレーになるが、そういった点も含めて、今節求められるのは原点回帰の姿勢。最後の笛が鳴るまで諦めずにプレーを続けることこそが勝点を引き寄せる力になるということは、第1クールの対戦で、彼ら自身が体験しているはずなのだ。

以上

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★J2クラブサポーターのみなさま!クラブへの熱き思いを旗に!
第4回取材予定:
・6月20日(土) 徳島(取材)vs横浜FC
・6月21日(日) 湘南(取材)vs札幌
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2009.06.20 Reported by 井芹貴志
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