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【J1:第14節 川崎F vs 大分】プレビュー:主力不在の可能性の中、連勝を伸ばしたい川崎F。リーグ戦での連敗を10で止めたい大分 (09.06.19)

6月20日(土)J1 第14節 川崎F vs 大分(15:00KICK OFF/等々力
スカパー!生中継 Ch363 15:00〜(解説:相馬直樹、実況:土井敏之、リポーター:杉山真也)
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 AFCチャンピオンズリーグの出場権を持つチームは、今季のヤマザキナビスコカップの予選リーグが免除されている。そのため川崎Fは、5月24日のアウェイでのF東京戦を最後に公式戦が中断。1ヶ月弱ほどの間、試合から遠ざかっていた。試合勘という面で多少不安は残るが、その分この時期恒例の北海道での短期合宿を敢行。フィジカル面の補強とともに、切り替えのすばやさというチームの基本戦術の徹底や、個人技術などの上積みを図っている。「みっちりトレーニングしたし手ごたえもあります」と話すのは伊藤宏樹。「今までにないくらいにやり込んだ」とここまでの準備に手ごたえを伺わせていた。

 首位鹿島とは勝点8差の4位につけている川崎Fにとって、タイトル争いのためにも中断前までのリーグ戦で3連勝した勢いを止めたくはない。そういう意味では非常に重要な試合となるのだが、チーム事情から難しい側面があるのは間違いない。

 その一つが代表招集である。5月24日のF東京戦後に中村憲剛と川島永嗣の両選手が日本代表に招集。また29日からは鄭大世が北朝鮮代表に招集されており、チーム内での練習を経験できていないという点で心配がある。また彼らはそれぞれアウェイからの移動を経験しており肉体的なコンディションの面で心配が残る。

 そうした中、中村の状態は心配である。中村はオーストラリア戦後に発熱の症状を訴え、試合後のロッカールームで静養。普段は時間が許す限り丁寧に何分でも記者からの質問に答える中村が、わずか数分間のやり取りしかできなかった。そういう点で出場が危ぶまれる状況にある。ちなみに19日に川崎Fの練習に合流した中村は、実際に体温が38度を越えていた事を明らかにしていた。責任感の強い選手なだけに「監督から言われれば」と出場の可能性に含みを持たせていたが、関塚隆監督の判断が注目されるところだ。

 また北朝鮮代表としてアウェイのサウジアラビアでの2010FIFAワールドカップ南アフリカアジア最終予選最終戦に先発し、W杯出場権を手にした鄭大世のコンディションはさらに厳しい。鄭大世は89分間プレーを続けて交代。足首を痛めているともいわれており森勇介も足の状態を気にしていた。その鄭大世は19日の夜に日本に帰国。チームには必要な選手であるのは間違いないが、移動や試合でうけたダメージなどのコンディションを考えればこの大分戦での起用は難しいといわざるを得ない。鄭大世に関しては、これまでの代表招集から戻ってきての試合については調子を落とす傾向にもあり、それらの状況をどのように判断するのか、関塚監督の決断にゆだねられている。

 前述の通りこの大分戦では代表招集されていた主力メンバーを欠く可能性が出ている。また来日が遅れ、キャンプに参加できなかったジュニーニョの問題もある。ただし、もし仮に何人かのメンバーが不在の場合でも「大丈夫だと思いますし、出る選手にとってはモチベーションが上がると思う」と森は話していた。年々選手層を厚くしてきた川崎Fにとって、主力の不在は若手のチャンスでもある。そういうチーム内競争がどのような試合展開をもたらすのか、見てみたいところである。

 ちなみに、川崎Fは来週のアウェイでのACLラウンド16G大阪戦という大一番を控えているが、だからといってこの大分戦をないがしろにするという雰囲気は皆無である。

「とにかく勝ちきるのが大事。今のJリーグは確実に勝てるチームはないし、そう考えると1年間を通してどの試合も大事ですよ」と話すのは中村。再開するリーグ戦に向け、選手個々がそれぞれに気持ちを引き締めて試合に臨んでいる事がわかる。

 今節対戦の大分は、現在リーグ戦で引き分けを挟まずに10連敗中。ただし13日に行われたヤマザキナビスコカップの新潟戦ではケガで離脱していたエジミウソンが復帰ゴールを決めるなど、約3ヶ月ぶりに勝利している。17試合ぶりの勝利によって悪い流れを断ち切ったともいえるだけにこの川崎F戦は、その勝利の勢いをリーグ戦にぶつけたい試合となる。その大分が現在までの13試合で獲得した勝点は4点。最下位に沈んでいるが、昨季のヤマザキナビスコカップ優勝により「地方のクラブの星」とまでいわれたチームである。このまま現状を座視する事はないだろう。そういう意味では、リーグ戦が再開するこの試合の位置づけは大きいはず。どうしても勝ちたい大分を相手に、川崎Fはしっかりと勝点を積み重ねられるのか、注目したいところだ。

 今季川崎Fは先制点を多く奪われており、試合運びに苦労してきた。その傾向がはっきりと出ているのが、試合開始からの15分間の得点がないという点である。J1、18クラブ中、同じ記録を持つのは柏と名古屋のみ。だからこそ関塚監督は立ち上がりの15分間の大事さを選手に伝えてきたという。北海道合宿で取り組んできた攻守の切り替えの意識付けの練習を含め、立ち上がりから押し込む試合運びができれば、それは川崎Fが狙う試合展開そのものだといえる。この試合についてはそういう点にも注目してみてもらえればと思う。

 川崎Fが連勝記録を伸ばし、上位に食いつくのか。それとも大分がリーグ戦での連敗を10で止めるのか。ハーフタイムに行われる西城秀樹さんのライブパフォーマンスや、川崎市出身の市原隼人さんの挨拶と始球式を含め、楽しみな一戦である。

以上

2009.06.19 Reported by 江藤高志
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