J1&J2クラブの戦力を徹底分析
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大型補強に頼らず、これまでの蓄積と新監督の+αで上位を目指す今季のみどころ
3年間の山口素弘監督体制を終え、横浜FCは今年からミロシュ ルス監督をスロベニアから招へいした。「ボールを保持することを好む」とミロシュ監督が述べているように、主導権を握っていくスタイルは昨季までのサッカーと似た路線を指向する。その上で、ミロシュ監督は「昨季は横パスが若干多かったのではないか。もう少しダイレクトに縦に入れていくサッカーができるはず。より縦方向への意識を持ったサッカーをしていきたい」と、縦方向への思い切りとスピード感を強調している。
シーズン前のトレーニングでも、早いタイミングで前線の選手を使うプレーに取り組んでいる。J2でも切り替えと縦の早さが勝負のポイントとなることが多いだけに、この+αが横浜FCにもたらす化学反応に注目したい。
そして、もう1つの特徴が、横浜FCが例年行っていた大幅な選手の入れ替えを行わなかったことだ。新加入は、高校卒と大学卒の新人2人以外、全て過去に横浜FCに所属し、他クラブに移籍していた選手。新体制発表会見で、北川浩史社長は「横浜FCへの思いが強い選手に集まってもらった」と語ったが、ある意味で横浜FCが過去に蓄積してきた『選手』という財産を再び発揮するシーズンと言うこともできる。クラブは昨季終盤の失速の原因を若手の成長が不十分であることによる層の薄さとした。その意味では、育成経験豊富なミロシュ監督の下、他クラブに期限付き移籍していた若手がその経験を横浜FCに還元できるかが、今季の成績に繋がっていくだろう。
以上
Reported by 松尾真一郎
開幕時の予想布陣
今季の大きな特徴は、かつて横浜FCに在籍していた選手の出戻りと新人の加入以外の補強がないこと。陣容的には昨季の戦力をベースに、若手の台頭で+αを狙う。
システムはミロシュ ルス監督がこれまで多用していた4-2-3-1。その1トップには、長身ゴールゲッター大久保哲哉が復帰した。ゴールに関しては計算が立つ選手だけに、昨季苦しんだ決定力不足の解消が期待される。さらにスピードスター黒津勝、48歳を迎える三浦知良が攻撃に味と変化をもたらす。
中盤は、寺田紳一、松下年宏という昨季の中心選手に、横浜FCユース出身で4年目(第2種登録を含めると5年目)を迎える小野瀬康介、2012年に横浜FCでデビューした中里崇宏、佐藤謙介などの若手がレギュラーを張ることが期待される。さらに、ベテランの安英学、野崎陽介、飯尾一慶、ルーキーシーズンの昨季に目立った活躍を見せた野村直輝など、横浜FCは中盤の陣容は層が厚いだけに、良い競争が起こることは間違いない。
ディフェンスラインは、3年目(特別指定選手を含めると4年目)の野上結貴を中心に、もう1人のセンターバックをパク テホン、フェリペ、森本良、そしてルーキー楠元秀真で争う形となる。左サイドは昨季から引き続き、中島崇典と永田拓也がポジションを争う。市村篤司がケガで出遅れているため、右サイドは小池純輝が務めることになる。
GKはベテラン南雄太が中心だが、かつてブランメル仙台(現ベガルタ仙台)でGKコーチを務めたこともあるミロシュ監督の下だけに、渋谷飛翔、村井泰希、高丘陽平との4人体制となったGK陣の中で熾烈なアピールが行われるだろう。
以上
Reported by 松尾真一郎
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