J1&J2クラブの戦力を徹底分析
京都京都サンガF.C.
新体制・新指揮官で、新たな京都の力を見せつけるシーズンに今季のみどころ
様々な意味での送別と歓迎のあと、新たなストーリーが幕を開ける。
今季の京都は「SANGA INNOVATION(サンガ・イノベーション)」をスローガンに掲げ、一歩を踏み出した。その意味について「改め、新しくすること。」と公式サイトなどで説明しているが、実際に強化部刷新を断行。新強化部長の野口裕司氏は昨季勝ち切れなかった原因の1つに「経験」を挙げ、初仕事として山口智、金南一、黄辰成、佐々木勇人といった経験豊富な選手を獲得。若手との融合を図った。
昨季メンバーでは、J2得点王の大黒将志は残留。しかし、工藤浩平、酒井隆介といった中軸がクラブを離れた。そこを補うように山口智、ボランチの層を厚くする金南一、そして期限付き移籍から復帰した原川力と、実績と期待値の高いメンバーを加えた。
新指揮官は、和田昌裕氏。チョンブリーFC(タイ・プレミアリーグ)を率いていたが、京都が情熱を持って口説き落とした。神戸時代は守備的なサッカーを見せていたイメージがあるが、練習初日にスピード感のある攻撃をイメージさせるための映像を選手たちに見せるなど、京都では攻撃への姿勢も示す。新体制発表会見でも「これまでの繋ぎの良さを生かしつつ、スピード感のある攻撃をしたい」と意気込みを語った。
金南一や山瀬功治、中山博貴など別メニューの選手もいて万全というわけではないが、経験のある選手が揃っているので開幕時にはしっかりと主軸を揃えることができるはずだ。
一方で、経験とは対極のトップ昇格組には大西勇輝、奥川雅也、永島悠史と年代別日本代表を経験した選手がいて、若い才能の大きな飛躍も今季の楽しみの1つである。
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Reported by 武田賢宗
開幕時の予想布陣
フォーメーションは4-4-2が主体となりそうだ。新加入選手を軸に予想すると、図の布陣となる。
群馬から加入したFWダニエル ロビーニョは昨季14ゴールを記録しており、大黒将志とのコンビに期待がかかる。攻撃陣は選手層が厚く、いずれの選手もコンディションが良い。佐々木勇人、有田光希、石田雅俊らのアピールは力強く、開幕戦の先発は最後の最後まで競争が続きそう。キャンプ前の練習試合では黄辰成が出場せず、金南一もわずかな出場時間に留まったが、キャンプでの仕上がりに期待したい。
今季の注目株は原川力。京都U-18出身でU-22日本代表に選ばれている。昨季は出場機会を求めて期限付き移籍で愛媛へ。シーズン通して公式戦に出場することで自信、そして課題も掴んだ。その彼を背番号10で迎えたことからも、クラブの期待の大きさがわかる。原川も「この背番号をモチベーションにして楽しみたい」と責任感と期待感を持っている。
中盤では、昨季から成長著しい駒井善成にも注目。今季は副キャプテンに任命された。ジュニアチームからのアカデミー育ちだけに、中心選手としてサポーターからの期待感がより大きくなるのも必然。この2選手以外にも、富山への期限付き移籍から復帰した宮吉拓実、今季から背番号11を着ける伊藤優太も猛烈に存在感を示している。若い選手の台頭がチームを勢いづけるだけに、彼らの躍進にも注目だ。
以上
Reported by 武田賢宗