J1&J2クラブの戦力を徹底分析
北九州ギラヴァンツ北九州
攻撃面に魅力アップ。今季も目指す、昇格プレーオフ圏内のサプライズ今季のみどころ
昨季は2季ぶりに1桁順位を記録し、チーム史上最高位の5位にまで上り詰めた北九州。今季は一味違う魅力を披露するシーズンになる。
2013年後半戦から2014年にかけての1年半、北九州は堅牢なディフェンスと高速カウンターを最大の持ち味に上位躍進を遂げてきた。今季も守備面ではゾーンディフェンスの網で相手の侵入を食い止めることに変化はないが、攻撃面では少人数でのカウンターを支えてきた池元友樹など主力級が移籍。ゼロからとは言わなくとも、攻撃はある程度の再構築が必要になった。
チームが掲げる目標は、昨季を全ての数字で上回ること。今季もJ1のクラブライセンスは得られないものの、昨季の5位を上回る順位と、さらなる得点の積み上げを狙う。
昨季最終盤では3位を狙える順位をキープ。「今季3位に入ることが、今後J1に上がる力になる」と柱谷幸一監督はあえて選手にプレッシャーをかけ、J1昇格プレーオフ創設までは自動昇格圏だった3位以内を狙ったが結果的には叶わなかった。
しかし今季は昇降格争いのプレッシャーをも経験してきた西嶋弘之らメンタリティーのタフな選手が加入。来季以降に可能となる昇格争いを見越し、最終盤まで安定した試合運びをしていきたい。また、相手陣内で のプレー時間が長くなれば得点機会が増加し、失点に繋がるリスクも減る。ビルドアップやキープ力にも定評のある選手が加入したこともゲーム作りには追い風。昨季からワンランク以上も魅力がアップした『動くサッカー』を今季は見せられるだろう。
以上
Reported by 上田真之介
開幕時の予想布陣
背骨を成してきたGK、センターバック、FWの主力選手がJ1クラブに移籍し、それらのポジションの顔ぶれが 入れ替わる。
ベースとしている4-4-2のシステムに変わりはない。顔ぶれでは、突破力のある多田高行が左サイドバックのレギュラーに返り咲き、センターバックではキャプテンの前田和哉と新加入の西嶋弘之がコンビを組むことになりそうだ。GKは新たに背番号1を着けることになった阿部伸行がレギュラー最有力だが、昨季はセカンドGKとしてバックアップしていた鈴木彩貴も力を蓄えており、候補に名乗り。
ボランチでは八角剛史と風間宏希の2枚看板は安定感が高く、加えて新井純平が復調したり、加藤弘堅が加入したりと競争が熱くなってきている。
ポジション争いが最も加熱しているのは、左右のサイドハーフと2トップ。サイドハーフで即戦力となる名前を挙げても、小手川宏基、内藤洋平、井上翔太といった昨季からの主力に加えて近藤祐介が新加入。さらに若手も伸びてきている。
FWはストライカータイプとポストプレーを得意とする選手に二分されるが、オーソドックスな組み合わせに拘泥せず、昨季はストライカーを2枚並べて得点を奪ってきた。柱谷メソッドでは相手に応じて大きくメンバーを入れ替えることはしない。しかしタレントが豊富な前線では疲労や練習での相性からメンバーをチョイスすることも可能。今季も特に前半戦は多彩な組み合わせに挑戦しながらゲームに臨むことになりそうだ。
以上
Reported by 上田真之介