J1&J2クラブの戦力を徹底分析
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攻撃のメンバーを入れ替え。一層濃くなった『ジュビロ色』でJ1復帰を目指す今季のみどころ
『名波・ジュビロ』の2年目。昨季から大幅にメンバーを入れ替え、新たなチームでJ1昇格を目指す。
このオフ、最大のトピックスは昨季までのエース、前田遼一の移籍だった。さらに山崎亮平、金園英学、阿部吉朗など複数のアタッカー陣がチームを離れることになった。その一方、前線には川崎Fより森島康仁、岐阜より中村祐輝を補強。さらに2月には元イングランド代表FWジェイ ボスロイドを獲得し、新たな攻撃陣を形成している。新戦力と松井大輔、小林祐希ら既存戦力とがどこまで融合できるか。就任2年目となる名波浩監督の手腕が問われる。
スタッフ陣も一新された。菅野淳フィジカルコーチ、大神友明GKコーチ、さらには田中誠U-18監督など複数の役職に新たにクラブOBを配置。名波監督の下、クラブ一丸となってチーム作りを進める。
また、2月の鹿児島キャンプでは同じくクラブOBの中山雅史氏が臨時コーチに就任。持ち前の『熱さ』でチームを鼓舞した。上田康太、太田吉彰のカムバックもあり、昨季以上に『ジュビロ色』の濃いチームに。気心の知れた選手、スタッフで『新生・ジュビロ』を築き上げることができるか。
昨季は1年でのJ1復帰を目指しながら、リーグ戦では4位に。さらにJ1昇格プレーオフ準決勝で山形に敗れ、J1への道は閉ざされることになった。その山形戦ではGK山岸範宏に決勝ゴールを奪われるという屈辱も味わっている。今季の目標はJ1昇格。今季こそ自動昇格圏内に入り、昨季のリベンジを果たす。
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Reported by 南間健治
開幕時の予想布陣
今季の基本フォーメーションは昨季同様、4-2-3-1。攻撃的なオプションとして2トップもある。
前線は新加入の元イングランド代表FWジェイ ボスロイドに注目。キャンプ途中からチームに合流している。190cmという長身を生かし、パワフルなプレーを見せるレフティー。服部年宏強化部長は「体が強く、賢い選手」と評しており、うまくフィットすれば攻撃の幅を広げるキーマンとなるだろう。そのほかの1トップ候補は同じく新加入の森島康仁、中村祐輝。
中盤は上田康太、太田吉彰の加入で昨季よりも厚みが増した。上田は即戦力のボランチ。パサータイプのレフティーの加入で昨季負担の大きかった小林祐希、松井大輔の自由度も増すだろう。上田の相方は守備に持ち味を発揮する藤田義明か田中裕人 、さらには配給面に優れたレフティー宮崎智彦となりそう。献身的にスペースへ走り込める太田は、昨季の磐田に欠けていたタイプであり、加入は大きい。新ブラジル人アタッカー・アダイウトンは瞬発力を持った選手。コンディションを上げてくれば、スタメン争いに絡んでくるだろう。
最終ラインは昨季と同様のラインアップとなる。今季も守備面のリーダーは伊野波雅彦。また、宮崎をボランチへスライドさせ、駒野友一を左サイドで起用するオプションもある。得点力のある右サイドバック・櫻内渚も力をつけてきている。
GKは新加入のポーランド人、カミンスキーが定位置争いで大きくリード。2月11日に行われた浦和との『Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ』では槙野智章のPK、柏木陽介の直接FKを止めるなど早速期待に応えている。
新戦力を、名波監督がどう組み合わせるか。
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Reported by 南間健治