松本vs鳥栖のマッチレポート・動画(JリーグYBCルヴァンカップ:2025年3月26日)
一覧へJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第1回戦 2025年3月26日(水)19:03KO サンプロ アルウィン
- 94'田中 想来
延長戦を経て制したのはホーム・松本。「大きな自信」をつかむ
両チームともに直近のリーグ戦から中2日で、そこからほとんどの選手を入れ替えて臨んだ。松本はGK大内 一生を除くフィールドプレーヤー10人を変更。鳥栖は11人全員を入れ替え、このうち3バック中央には2種登録されたばかりの17歳・黒木 雄也が入った。
陣形は互いに[3-4-2-1]で、ミラーゲーム。前半はにらみ合いが続き、互いにピンチもチャンスもないこう着した展開となった。鳥栖はボールを持つものの、スイッチが入らず。裏への動き出しも少なく、脅威を与えられない。
後半からはベンチワークが活発となり、徐々に試合が動き始める。最初に動いたのは鳥栖。58分にヴィキンタス スリヴカと西川 潤の攻撃陣2人を投入。さらに69分には櫻井 辰徳と松田 詠太郎を送り出し、直近の明治安田J2第6節・富山戦に先発出場した4人がピッチに立った。
対する松本は我慢の起用。交代は前田 陸王と田中 想来の若手2人にとどめ、粘り強く勝機をうかがいながら対抗する。3バックの右で出場したチアゴ サンタナの縦パスを起点とした攻撃から、右ウイングバックの本間 ジャスティンが何度もクロスを供給。しかし、決定打を欠いて、ゴールを奪うには至らない。
鳥栖もチャンスを生かせない。80分以降は相手陣内でのプレーが多くなり、90分には相手の守備が乱れたスキを突いて櫻井 辰徳がペナルティーエリア内からシュートを放つ。しかし、これは松本の守護神・大内 一生が鋭い反応で防ぐ。
前後半の90分では決着がつかず、延長戦に突入。すると、いきなりスコアが動いた。松本は稲福 卓を投入してインサイドハーフに据え、[3-5-2]に切り替える。その稲福 卓が93分に高い位置で引っかけて奪うと、そのままペナルティーエリアに持ち込む。そして、倒されてPKを獲得。94分に田中 想来がGK内山 圭の逆を突いて、冷静にゴール左スミを射抜いた。
その後の松本は防戦が続くものの運動量を落とさず、自陣ペナルティーエリア内に進入されてもタイトに応じる。石山 青空や樋口 大輝らは120分を通じて勤勉にタスクを遂行し続けた。このまま試合は1-0で終了。
鳥栖は途中出場のヴィキンタス スリヴカが負傷して交代を余儀なくされる誤算もあり、延長前半の頭から左ウイングバックの上原 牧人を1トップに置くなど、難しい対応を迫られた。鳥栖にとっては、中2日でアウェイに乗り込んで手痛い黒星。リーグ戦に出場する面々も途中から投入して120分戦い、放ったシュート数は松本の『4』に対して『13』。それでも最後までネットは揺らせず、大会初戦で姿を消した。小菊 昭雄監督は「フレッシュな選手で臨んだが、まだまだ課題が多いと感じるゲームだった。(松本の)守備の強度をかいくぐれなかった」と振り返った。
一方、松本はリーグ戦の戦力をほとんど温存した中でホームで勝ち切った。収穫は多く、早川 知伸監督は「延長戦まで入って勝ち切れたことは、チームとしても本当に大きな自信になった。すごく気持ちの入るゲームで、選手たちの躍動を感じることができた」と納得の表情を浮かべた。
[ 文:大枝 令 ]