愛媛vs秋田のマッチレポート・動画(JリーグYBCルヴァンカップ:2025年3月26日)
一覧へJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第1回戦 2025年3月26日(水)19:03KO ニンジニアスタジアム
試合終了
00前半1
0後半1
7SH14
5CK7
14FK12
2
得意のフィジカルバトルに持ち込んだ秋田。愛媛を寄せつけずに快勝
明治安田J2で不調にあえぐチーム同士。その悪い流れを断ち切るべく両チームは、このミッドウィークでの一戦にフレッシュなメンバーを投入してきた。ホームの愛媛は直近のJ2第6節・札幌戦から先発を完全にターンオーバー。今季途中に加入したマルセル スカレゼをはじめ、パク ゴヌ、細谷 航平、佐藤 亮は今季公式戦初先発となった。対するアウェイの秋田は直近のJ2第6節・長崎戦の先発から長谷川 巧を除く10選手を入れ替えて臨む。深港 壮一郎は今季公式戦初出場。秋田でのデビュー戦となった。
試合は序盤からシンプルにロングボールを蹴り合う展開でスタート。そんな中、愛媛は立ち上がりこそ相手陣内に攻め込む場面を作るが、空中戦の増えるフィジカルバトルとなれば秋田に一日の長があるのは明らかだった。対人戦、セカンドボールの反応ともに上回る秋田はロングボールを相手陣に蹴り込み、ボールを回収しては前進を繰り返して攻勢を強めていく。
秋田は相手陣深くへ押し込む時間を増やし、躊躇なく両サイドからクロスを供給しては愛媛守備陣を揺さぶる。すると42分、深港 壮一郎の右からのクロスに対し、ゴール前で佐川 洸介がフィニッシュに持ち込む決定機を演出。この場面でのシュートは枠外へそれたが、その直後に訪れたカウンターのチャンスでは前線の連係から抜け出た鈴木 翔大がGK白坂 楓馬の股下を狙ってシュート。ボールは白坂 楓馬の足に当たりながらもそのままゴールに吸い込まれ、押し気味に試合を進めていた秋田が先手をとった。
愛媛はチーム編成上、本職のポジションではない選手が多くピッチに立つ中、懸命に球際で争う姿勢を見せるも、高い位置から強いプレッシャーを掛けてくる秋田に力負け感は否めず。ボールを持っても両ウイングバックが常に最終ラインに吸収されている状態であるため、攻撃に厚みがつけられないなど攻勢への糸口を見つけられない。
エンドが変わっても秋田が常にセカンドボールをモノにし、その勢いのまま一方的に攻め立てる時間が続く。愛媛はこの状況を打破すべく前線にフィジカルに強みのあるベン ダンカンを入れて2トップに変更するとともに、右サイドに機動力のある黒石 貴哉を投入すると、徐々に攻撃の形ができ始める。
74分にはパク ゴヌと黒石 貴哉の連係で右サイドを鮮やかに切り崩してゴール前へ迫る場面を見せると、81分には行友 翔哉の左サイドからのクロスに、ファーサイドで村上 悠緋が頭で合わせる決定機。相手陣深くに攻め入る場面を増やしていった。
反撃ムードが高まりつつあった愛媛だったが、好機を逸した直後の82分、最終ラインでの連係ミスからオウンゴール。思わぬ形で0-2にされると、そこから苦境を挽回する力はもう残されていなかった。
勝者は得意のフィジカル戦に愛媛を引きずり込み、最後まで運動量の落ちなかった秋田。リーグ戦での悔しさを晴らすクリーンシートで勝利を収め、JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦へコマを進めた。
[ 文:松本 隆志 ]