町田vs磐田の見どころ(明治安田J1リーグ:2024年8月17日)
一覧へ明治安田J1リーグ 第27節 2024年8月17日(土)18:06KO 町田GIONスタジアム
試合終了
43前半0
1後半0
13SH7
7CK6
10FK22
0
危機感を抱く首位チーム。“未勝利街道”はもう十分
「個人的にはもう落とせないなと思います。自分たちに目を向けて、リバウンドメンタリティーを発揮できるか。ここで気持ちが折れてしまうと、自分たちが損をしてしまう。1つの勝利、1つのゴールでチーム状況は変わるかもしれません」
ましてや今節の相手は、0-2で敗れた磐田とのリターンマッチ。連敗とシーズンダブルの阻止に向けて、まずは目先の1勝を目指し、チームは結束している。特に相馬 勇紀や杉岡 大暉ら、夏の新戦力たちは加入以降、一度も勝っていないため、「早く1勝したい」(相馬)との気持ちが強い。
長いシーズン、チームのバイオリズムが低下する時期は避けられない。苦境のときこそ、勝利が良薬。杉岡は「チームの下げ幅を小さくして、苦しい状況を早めに脱出してきたことで町田は首位にいる」と語気を強めた。“未勝利街道”は『3』で十分。4試合ぶりの勝利へ。準備期間の町田は“させない”守備の再徹底を図ることで、チームの再構築に取り組んできた。
無失点のまま時計の針を進めるゲームプランを遂行することは大前提。その過程で少ないチャンスをモノにし、“勝利の方程式”を完成させるには、アタッカーたちの奮起も欠かせない。10番を背負うナ サンホは「マッチアップする相手を抑えながら、攻撃で相手のことを困らせたい」と話した。
一方の磐田は前節、町田を追撃する鹿島に逆転勝利。6試合ぶりの勝利を飾り、残留圏に浮上した。ただ、予断を許さない状況は変わらず、降格圏の18位・京都とは得失点差で上回っているに過ぎない。一息つくことはなく、前回対戦の雪辱を期す町田を、アウェイの地で“返り討ち”にする準備を整えているはずだ。
ただ、前回対戦で町田対策のキーマンを担っていたマテウス ペイショットは前節に続き、出場停止を余儀なくされる。最前線でエアバトルを制し、タフに戦えるFWの不在は痛恨だが、この夏の補強で陣容を強化しており、新戦力たちはチームの首位撃破に貢献しようと牙を研いでいる。
横内 昭展監督は手持ちの豊富なメンバーを生かしながら、相手を攻略する最適解を導き出せるタイプの指揮官。前回対戦では、球際とセカンドボールワークの主導権争いに注力し、あえて相手の得意な土俵に飛び込むことで、今季初めて町田を完封した成功体験がある。
「良い意味でハッキリとした形があるわけではない」(杉岡)“柔軟性”は、“横内ジュビロ”のストロングポイントの1つ。横内監督は新たな首位撃退法を準備し、町田GIONスタジアムへと乗り込んでくるに違いない。指揮官同士の駆け引きも見逃せない一戦だ。
[ 文:郡司 聡 ]