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[ 2014年 今年の漢字:神戸 ]
クラブ“初”のタイトル奪取を掲げた今季。マルキーニョス、ペドロ・ジュニオール、シンプリシオというJリーグで実績のある外国籍選手を迎え、神戸は第8節終了時点で首位に立つなど、好調な滑り出しを見せていた。FIFAワールドカップ・ブラジル大会による中断期間前の順位も3位と好位置に。日を追う毎に優勝という2文字が現実味を帯びていた。
だが、FIFAワールドカップ後の初公式戦となった天皇杯2回戦では関西学院大学にまさかの敗戦。1週間後に再開されたJ1リーグ戦でもなかなか勝点3を得られず。立て直せないまま最後は4連敗という屈辱的な結果で今季の幕を閉じることになった。結果は11勝12分11敗の11位。引き分けの多さが、しっかり勝ち切れない今季の傾向を物語っている。
この流れから思い浮かぶ1字は「幻」や「低」などのネガティブなもの。だが、その中で「初」が多かったのも今季の特徴だ。アウェイでの鹿島戦に初勝利し、ヤマザキナビスコカップ決勝トーナメントに初進出。個人としては森岡亮太の日本代表初招集という、うれしいニュースもあった。「初志貫徹」(初タイトル)とはならなかったが、決して何も残らなかったシーズンではない。
常にタイトル争いに絡む強いクラブにはまだなってはいないが、そこへの最初の一歩を踏み出したシーズンでもあったと言っていい。J2降格からJ1昇格、そして今季にわたって続いた安達亮監督体制はこれで終わる。だが、神戸が歩を止めることはない。来季の初タイトルへ期待を込めて、今季の漢字は「初」としておく。
Text by 白井邦彦
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