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[ 2013年 今年の漢字:川崎F ]
歩みを止めなかったことが結果に繋がった。今季の川崎Fは最下位でシーズンをスタートさせる苦しい序盤戦を強いられた。開幕からの6戦で3分3敗と低迷。サポーターには動揺が広がり、報道陣にも不安視する声は多かった。そんな中、現場は落ち着いていた。一喜一憂することなく上だけを見るのだという姿勢を貫いた風間八宏監督に率いられ、選手たちは歩み続けた。日々の練習に打ち込むチームにあって、今季からともに歩み始めた選手たちの活躍が光った。ストライカーの大久保嘉人やボランチの山本真希を筆頭に、新旧の選手たちは団結心を失わず、ともに歩くことをやめなかった。
歩き続けることの大切さを痛感させられたのが、最終節だった。何度も潰えかけたACLへの可能性を賭けて迎えた大一番を前に、1人の選手がその歩みを止めることを表明する。川崎F一筋13年の伊藤宏樹だった。ACLよりも何よりも「伊藤の最終戦を勝って送り出す」という目的が生まれ、それに向けて等々力全体が奮起。スタジアムが一体となり、選手たちにチカラを与えた。優勝を賭けた名門・横浜FMを下し、今季の等々力での最終戦を締めくくった。
坂道を駆け上がることはなかった。それどころか、時につまづき、時にへこたれそうにもなる1年だった。ただ、それでもめげることなく歯を食いしばり、一歩ずつその足を踏み出し、その歩みを確かに刻んだシーズンだった。

Text by 江藤高志

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2013年12月17日(火)

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