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[ 2013年 今年の漢字:C大阪 ]
悲願のタイトル獲得は、今季もならなかった。それでも、昨季のJ1残留争いから一転、最後まで優勝争いに参加。勝ちきれない時期もあったが、勝点59を記録。最終節で浦和との上位対決を制しての4位フィニッシュ。2013年は、C大阪の若き力を存分に示せた1年でもあった。
そのなかで、キーワードとなったのは、『継続性』。昨夏に電撃復帰したレヴィー・クルピ監督が指揮を執り続けたなか、これまで3季続いていたシーズン途中での主軸の海外移籍も封印。逆に、夏場の補強を行わず、ベースを維持しながら1シーズンを戦い抜いた。
桜色のチームを牽引したのは、名伯楽の教えを受け続けた『レヴィーチルドレン』。その代表格が、エースナンバー『8』を受け継いだ柿谷曜一朗であり、C大阪育成サポートクラブ『ハナサカクラブ』1期生でもある山口螢といった、J1ベストイレブンに名を連ねた日本代表コンビ。また、彼らだけでなく、丸橋祐介、扇原貴宏、杉本健勇や、ベストヤングプレーヤー賞に選ばれた南野拓実など、最優秀育成クラブ賞にも輝いたC大阪育成組織出身者の活躍は目立った。
さらに、優秀選手に選ばれたキム・ジンヒョンや山下達也、そして、主将の藤本康太ら高校卒、大学卒の生え抜き選手中心の守備陣を軸に、リーグ最少の負け数、3番目に少ない失点を記録するなど、今季はディフェンスの充実も見逃せない。ほかにも、要所ではシンプリシオらベテランの存在も光った。
今季限りでレヴィー・クルピ監督体制は終焉を迎えたが、この名将が作り上げた『芸術的な、攻めきるサッカーで勝利を目指す』スタイルは、いまやC大阪のアイデンティティ。今後もその形が受け継がれていくことを願ってやまない。
Text by 前田敏勝
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