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[ 2007 ゆく年くる年:セレッソ大阪 ]
【2007 Memorial Scene】
5月に起こった電撃的な監督交代により、レヴィー・クルピ監督が就任。一時は絶望しされていた「J1復帰」だが、第3クール、第4クールで激しい追い上げを見せて最終節の1試合前まで望みをつないだ。短期間でのチーム再生に、クルピ監督の手腕の確かさを再確認するシーズン後半になった。
●写真はホーム初勝利を挙げた6/10(福岡戦・長居2)の試合後、選手達を出迎えるクルピ監督。

【セレッソ大阪 Playback 2007】
「1年でJ1へ」の掛け声のもとスタートしたが、開幕から3連敗とつまずいた。都並敏史前監督は積極的に若手を起用し事態の打開を図ったが、結果には結びつかなかった。結局、第2クール初戦の鳥栖戦(5月6日)後に都並前監督は解任、同時にチームを統括していた西村昭宏GMも更迭されるという衝撃的な事態に陥った。
そこで登場したのがクルピ監督だった。わずかなインターバルにミニキャンプを張るなど、急ピッチで建て直しが進められたが、当然のことながら結果はすぐには出ない。「シーズン途中での就任は難しいものがある」と監督自身がもらしたように第2クールは我慢の連続、ようやく白星が先行し始めたのが第3クールだった。フィジカルの強化とともにセットプレーに磨きをかけて確実に勝点を積むことから着手し、選手たちに失いかけた自信を取り戻させると、もともと能力の高い彼らは次第に持てる力を発揮できるように。
さらに8月に入ってボランチのジェルマーノをブラジルから呼び寄せて、ピンポイント補強に成功した。こうしてみると、クルピ監督のチームづくりは決して「マジック」などではなく、実に緻密で現実的なものであったとわかる。
35節から45節までは9試合負けなしで突き進むなど、最終盤まで昇格争いに踏みとどまったが、51節の水戸戦に敗れて終戦。結局、シーズン前半の「借金」が重くのしかかった形だった。
後半の快進撃が偶然ではなかったように、昇格を逃がした=目標達成がならなかったことにも原因がある。「いい選手を揃え、チーム力を上げて新しいシーズンに臨みたい」。来季も指揮を執ることが決まっているクルピ監督は言う。予想を超えた激戦になるのがJ2。2007シーズン終盤の快進撃に満足することなく、念には念を入れた周到な準備で新シーズンを迎えたい。

Text by 横井素子

2007年12月31日(月)

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