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[ 2007 ゆく年くる年:大分トリニータ ]
【2007 Memorial Scene】
今シーズン開幕当初の目標順位は6位以内。しかし、ふたを開けてみると第11節までのリーグ戦での成績は2勝3分6敗の16位。チームの勢いもなく勝てる空気も感じられなかった。
第12節(5/19)の川崎F戦(九石ド)前日、選手たちが話し合い「大分のサッカー」を見直した。そして迎えた当日。スタジアム入りする選手バスを待ち構えたサポーターたちが、「気持ちを見せろ」と鼓舞した。そしていつもはスタジアム中を埋め尽くした横断幕の代わりに、ただ「ヤレ!」と書いた1枚を掲げる事でサポーターの想いを選手たちに伝えた(写真左下)。サポーターも一緒に戦い、当時2位だった川崎Fに2−0で勝利した。
【大分トリニータ Playback 2007】
3年目を迎えたシャムスカ大分は、開幕から決していい滑り出しではなかった。昨シーズンはクラブ史上最高順位のJ1・8位という成績で終えただけに、期待外れの前半戦となった。成績不振の原因は、やはり補強の失敗という感が否めない。
昨シーズンまでWボランチを務めたエジミウソン、トゥーリオ、そしてトップ下の梅崎司がチームを去り、大分の生命線とも言えるミドルゾーンが心配された。新戦力はトップ下にアウグスト、Wボランチに宮沢正史、ジュニオール・マラニョン、FWにはセルジーニョを迎えたが、うまく機能しなかったり、ケガをしたりでプラン通りにはいかず、キャンプ時とは全く違うメンバーでリーグ戦を戦わなければならなくなった。
前半戦の折り返しは17位と、一時はどん底まで落ちた大分。危機感を感じたフロントは5月末に広島から前田俊介を呼び寄せ、6月にはフランスから梅崎司を復帰させた。
そしてリーグ戦の中断期間中に、マラニョンやセルジーニョとの契約を終了させ、代わりにエジミウソン、ホベルト、鈴木慎吾(新潟から期限付き移籍)を補強。この補強がずばり的中し、一時は降格ゾーンから抜け出せなかった大分が、11月24日のホーム最終節・磐田戦でJ1残留を決めた。特にプロとしての熱いハートを持った鈴木慎吾の加入が、若い選手に与えた影響は大きかった。
シャムスカ監督の来季の続投はすでに決定している。大分があと一歩上位に食い込むためにも、来シーズンは早くからのチーム作りが望まれる。
Text by 森田みき2007年12月31日(月)