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[ 2007 ゆく年くる年:コンサドーレ札幌 ]
【2007 Memorial Scene】
タイムアップの瞬間、スタジアムは熱狂に包まれた。水戸を2-1のスコアで退け、J1への自動昇格圏内である2位以上を確定。グラウンド上はもちろん、スタンドなどでも多くの人が抱き合い、ハイタッチをし合い、昇格を喜んだ。そしてその直後、東京Vの引き分けが報じられるとさらなる歓喜が。札幌ドームのオーロラビジョンには「2007 J2 CHAMPION」の文字が映し出され、今度はJ2優勝を多くの人々が噛み締めた。長く苦しいシーズンだったが、最終節は見渡す限りの笑顔に包まれていた。
【コンサドーレ札幌 Playback 2007】
選手育成力のある柳下正明前監督(現・磐田コーチ)との3年間を終え、今季は大宮でのJ1昇格・残留経験があり、「結果」をより重要視する三浦俊也新監督を招聘。FW、MF、DFのスリーラインが徹底してゾーンディフェンスをするという、三浦監督独自の守備戦術が機能しチームは開幕から堅守を披露。序盤には5試合連続完封(2節〜6節)や7連勝(14節〜20節)を達成。前半戦を終えての勝点は51という、ハイペースで勝点を獲得し台風の目となった。しかし、第3クール終盤から突如として失速し、持ち味だった堅守にも綻びが見えるようになってきた。そして思うように勝ち星に恵まれず、最大で13あった2位との勝点差も気がついてみれば僅かなものに。
しかし、「なんとか持ちこたえることができた」と三浦監督が振り返ったように、チームは泥沼から粘り強く這い上がり、岡本、西といった若手選手の活躍もさらなる追い風とし、念願のJ1昇格を達成することができた。J1昇格、さらにはJ2優勝をも決めた最終節終了後、多くの選手が口にしていたのは「ホッとした」というセリフ。その言葉からは、長いシーズンの苦しみがひしひしと感じられた。しかし、苦しみが大きかったからこそ、得たものも大きいはず。来季札幌は、6年ぶりにJ1の舞台で戦う。
Text by 斉藤宏則2007年12月28日(金)