8日午前10時を過ぎた頃、トレーニング会場であるWUHAN SPORTS CENTERに日本のバスが到着した。準決勝前日のこの時間にトレーニングを設定したのは日本だけ。選手たちは穏やかな表情でアップを始めた。
ボール回し、ダッシュ、パスなど、たっぷり30分程費やして体をあたためると、その後はディフェンスとオフェンスに分かれてのトレーニング。ディフェンス面では主にハイボールやラインコントロールなどを重点的に、オフェンス面ではサイドと中央とのコンビネーションからシュートまでの流れを確認した。
フルコートを使用しての約20分間のゲームに移ると、選手たちは流れの中で1プレー1プレー毎にコミュニケーションを取りながら互いのタイミングを合わせるよう、何度も調整を行っていた。「準決勝までにベストなメンバーで臨めるよう、DFラインを強化する」――グループリーグ最終戦で中国に引き分けた後、佐々木則夫監督はこう語っていたが、この日のゲームでは、これまでボランチに上がっていた熊谷紗希をセンターバックに下げ、最終ラインの安定を図った。準決勝で勝利を掴めば、その時点でFIFA U-20女子ワールドカップの出場が決まる。パワーある朝鮮民主主義人民共和国(DPR.K)に対抗すべく、日本は守備を強化してこの決戦に臨む。
トレーニング後にはベスト4に進出した監督と代表選手による公式記者会見が行われた。佐々木監督とともに公式記者会見に出席した岩渕真奈は、冒頭に「チャンピオンになるために、わたしたちはベストを尽くします」と英語でのスピーチを披露。「朝鮮民主主義人民共和国は気持ちの入ったチーム。でも一人一人のドリブルとかテクニックは日本も自信を持っています。あとはどれだけできるかっていうところ。勝ってFIFA U-20女子ワールドカップへの出場を決めたいので全力を尽くしてがんばります」と準決勝への意気込みを語った。
(文/早草紀子)
・佐々木監督コメント
朝鮮民主主義人民共和国戦の最大のポイントは勢いに負けないこと。ここからは特別に何をやるってことではないので、チームでやってきたこと4割、個々にやってきたこと6割という感じで立ち返りながらプレーしていくことが大事だと思います。明日はズルズルとラインが下がってしまうと相手の思うツボなので、コンパクトに保って、相手のプレッシャーに負けないでチャレンジしていくこと。チャレンジして悪い結果になったとしても必ず次につながります。朝鮮民主主義人民共和国はアグレッシブでパワーのあるチームですが、攻撃はシンプルなので、日本の若い世代のパワーでトライしていきたいですね。
・小林海咲選手コメント
今日のトレーニングで入った左サイドバックはこのチームでは初めてのポジションなのでまだしっくりはきていないです。でも昨年のFIFA U-20女子ワールドカップでも同じポジションはやっているし、よく知っている選手たちと組むということでコミュニケーションを取っていけばできてくると思います。背後の対策をやっていますが、試合の中でも恐れず、トライしながらやっていきたいと思います。
以上
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