8月29日(日) 2004 J1リーグ戦 2ndステージ 第3節
浦和 3 - 2 磐田 (18:04/埼玉/43,746人)
得点者:'15 エメルソン(浦和)、'30 山田暢久(浦和)、'44 前田遼一(磐田)、'81 西紀寛(磐田)、'89 長谷部誠(浦和)
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イヤな展開だった。2点リードから、退場者を出し10人になった磐田に同点に追い付かれたのは81分。浦和に残された時間はロスタイムを入れても10分強。2-2の引き分けで終了、スタンドにはそんな空気が漂っていた。
2-1で迎えた後半も、前半同様、ホームの浦和がペースを握っていた。54分には永井のドリブル突破から最後は山瀬。56分には三都主のラストパスから永井。66分には永井のお膳立てからエメルソン。幾度となく決定機を掴んだ浦和だが、3点目が奪えない。
そんな中、79分に福西が2枚目のイエローで退場処分。数的優位に立った浦和に、油断が生じたのか。磐田はその一瞬のスキを見逃さずに同点ゴールを奪った。右サイドを上がった西が途中出場の中山とのワンツーで中央へ切り込むと、左足で豪快にネットを揺らした。これまでの磐田と浦和の力関係、この日の流れからすれば、2-2のドローが濃厚かと思われた。
しかし、「同点に追い付かれ、ガクッと来たときもあったが、引かずに前に行ったことがよかった」(長谷部)。ロスタイム残り20秒。中盤でボールを持った長谷部がドリブルで2人をかわして、ペナルティエリア内に侵入。最後はDF鈴木を振り切り、GK佐藤をループでかわす。「とにかくドリブルで行ってシュートが打てたので、左足で浮かしてみた。キーパーの上しかコースがなかった」。長谷部が放ったシュートはねらいどおり、左ポストをかすめながら無人のゴールに吸い込まれた。
3-2。土壇場での長谷部の決勝ゴールで、浦和は磐田に競り勝ち、開幕3連勝。首位をキープし、昨年9月から続くホーム無敗記録も14に伸ばした。対する磐田は、いまひとつ「らしさ」がなく、早くも2ndステージ2敗目(1分け)を喫することになった。
途中出場ながら西の同点ゴールをアシストするなど、存在感を見せたベテランの中山は、終盤の戦い方を悔やんだ。
「(89分に)西に代わって(磐田の攻撃の切り札)川口が入ったことで、チームとして攻撃的に行ってしまった。後で交代の理由については戦術的なものではなく、西がプレーを続けることが難しかったからと聞いた。ひとり少ない状態だったが、同点に追い付いたことで、欲が出てしまった。もっと賢い戦い方ができていれば…」
ひとり少ない状況で「引き分けで終わる選択肢もあった」と、唇をかみ締めた。チーム内での意思統一のなさを窺わせるコメントだった。
試合後、ブッフバルト監督(浦和)は「3-2というスコアになったが、内容を考えれば、勝利は妥当なものだと思う」とコメント。浦和は15分にエメルソン、30分には山田のラッキーなゴールで2点のリードを奪うと、その後も多くの決定機を作り出した。わずかなスキを突かれ、磐田に2点を返されたものの、内容では完全に磐田を凌駕した。
一時は失いかけた勝ち点2を取り戻した浦和。この勝利はただの1勝以上の価値がありそうだ。
以上
2004.8.30 Reported by スポマガ WORLD SOCCER
J’s GOALニュース
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