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【J1:第34節 鹿島 vs 鳥栖】プレビュー:目指すは勝利のみ。結果はあとから付いてくる。(14.12.06)

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「ガンバ、レッズのことを気にする前にまずは自分たちの試合を勝たないと始まらない。それに集中したいと思う」。

試合前日、トニーニョ セレーゾ監督はいまの心境を問われるとそのように答えた。優勝の可能性を残しているとは言え、首位のG大阪、2位の浦和が共に引き分け以下で終わり、自らは2点差以上で勝利しなければならない状況がある。セレーゾ監督はチームミーティングの場でも特に優勝を意識するようなことは話さず、まずは目の前の試合に意識を集中するように促した。

試合前日は非公開練習だったため練習内容をうかがい知ることはできないが、今週は全体的に軽めのメニューが多かった。木曜は天候の影響もあったが1時間ほどで練習を切り上げた。その判断を下した理由を、監督は次のように説明した。
「今週は雨もあったが、僕は選手をよく観察している。若手が練習の合間にストレッチをしていたということはかなり疲労が溜まっているということだ。メンタル的にもストレスが溜まっているので、負荷の高い練習をしても逆効果だと思った」。
やるべきことはシーズンを通してやってきた。シーズン終盤にドタバタしても仕方がない。

ただ、選手たちはいまのチーム状態に自信を持っている。
「すごい良い状態なのは間違いない」。
ここまでリーグ戦全試合に先発している昌子源はあくまで自然体。気負いやてらいもなく、いつもの様子で試合に備えていた。しかし、CBとしては注意が必要な相手となる。FWには豊田陽平がおり、第3節に対戦したときは開始数秒でいきなりシュートを放たれている。「先に失点するとすごく苦しい展開になる」と警戒心を露わにしていた。
鳥栖は、藤田直之と菊地直哉が出場停止。センターラインを固める二人の欠場はチームとして痛いだろうが、誰が出ても同じ戦いをできるところが鳥栖の特長でもある。セレーゾ監督も「Jで1位、2位の競争力を持つチーム。球際が激しく、パワーダウンせずにできるのは鳥栖くらいだと思う」と、表情を引き締めていた。

07年、この状況から逆転優勝を決めたことがあったが、クラブはジンクスを守り優勝に備えた準備を進めずに試合に臨む。セレーゾ監督の発言通り、まずは目の前の試合で勝利を目指すだけだ。
そして、どうしても勝たなければいけない理由がもう一つ。79年組の一人である中田浩二が引退を表明。早すぎる決断を惜しむ声はチーム内外から聞こえてくるが、こればかりは本人の決断を尊重するしかない。自分からポジションを奪った若手CBたちに積極的に声をかける姿を見た遠藤康は「DF陣が成長したのは浩二さんのおかげ。試合に出なくてもチームが勝つためにやる。本当のチームはこういうものだ、と浩二さんが教えてくれた」と話す。

最終節、どういう結果が待っているかわからないが勝つべき理由はたくさんある。

以上

2014.12.05 Reported by 田中滋
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