J1自動昇格となる2位を確定し、充実した戦いぶりを見せる松本と、現在5連敗中と元気の無い岐阜。岐阜にとって、今季ホーム最終戦となるこの一戦、ともに3バックを敷く戦いは、サイドの攻防がポイントとなった試合だった。
岐阜はトップ下に入った高地系治とFW難波宏明が、積極的に3バックの両脇に流れ、ボールを収めては、攻撃の起点を作った。対する松本も2シャドーの船山貴之と椎名伸志が同じく3バックの両脇に流れ、起点を作る。先にチャンスを作ったのは松本。20分にロングボールに抜け出したFW山本大貴が、GKと1対1になるが、放ったシュートは枠の外。24分には今度は岐阜がビッグチャンスを作る。高地の落としを、交代出場のMF宮沢正史が強烈なミドルシュートを放つが、これはGK村山智彦のファインセーブに阻まれた。
お互い1回ずつチャンスを作った後の30分、試合が動いた。左サイドのスペースでボールを受けた難波が、そのままドリブルでボールを前に運ぶと、20mミドルシュート。これがゴール右上隅に突き刺さり、岐阜が先制に成功した。しかし、松本も直後の33分、船山から左のスペースに展開し、MF喜山康平の浮き球の縦パスに反応した山本が、ダイレクトで鮮やかなハーフボレーシュートを、ゴール左隅に蹴り込んだ。この攻防は前半の両チームの拮抗模様を象徴していた。
だが、前半アディショナルタイムに、高地とナザリトがスーパーな連携を見せ、再び試合を動かした。右サイドのスペースを難波と高地が見逃さなかった。難波がスペースにボールを引き出すと、高地はさらに大外に張り出す。難波のパスをフリーで受けた高地は、ボールを持って中をルックアップすると、「パスが来た瞬間、ナザリトが良いタイミングで動き出してくれていた。中にはナザリトだけだったし、後は質の高いボールを送ればいけると思った」と、ペナルティーエリア内に走り込んだナザリトへ、絶妙なグラウンダーのスルーパスを送り込む。これをナザリトがスライディングシュートで合わせ、ゴールイン。岐阜が再びリードを奪って前半を折り返した。
後半も拮抗状態は続いた。ともに狙いのサイドをうまく攻略したことで、ボールの行き来が激しい、激しい攻撃合戦の様相に変わりはなかった。だが、お互いチャンスを決めきれないでいると、71分に宮沢がゴール前の混戦からこぼれてきたボールを、豪快なミドルシュートで沈めて、勝負あり。
「今日は来年に繋がる試合をしたかった。とにかく気持ちを持って戦えと。勝ちたいという今週の練習がしっかりと出来ていた」。
試合後、ラモス監督がこう語ったように、岐阜は5連敗中とは思えない気迫のこもったゲームを見せてくれた。ミラーゲームで、お互いの狙うべきポイントがかぶった中で、2位の松本に対して打ち勝てたことは、このチームに力があることを証明するのに十分だった。ホーム最終戦でこのゲームを見せて、結果を得たことは間違いなく大きな価値を持つ。
「次節の京都戦で同じことをやれないと意味が無い。同じ気持ちでやらないと、来年に繋がらないと思う」とラモス監督が手綱を締めたように、次の今季最終戦のアウェイ京都戦に勝ってこそ、今日の試合の価値が2倍、3倍となる。
岐阜は『勝って兜の緒を締めよ』、『有終の美を飾る』。この2つの言葉を胸に、次節の京都戦に臨む。
以上
2014.11.16 Reported by 安藤隆人
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