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【J2:第41節 讃岐 vs 大分】レポート:自分たちのサッカーを捨て“勝利”のみを目指した讃岐。同じく“勝点3”だけを狙う大分のカウンターに沈み、讃岐の21位が確定(14.11.16)

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リーグ終盤から自分たちのサッカーを確立し、どのJ2チームと比べても遜色のないサッカーを展開してきた讃岐。4−1−4−1のシステムが選手全員に浸透し連係の取れてきた大分。J2・J3入れ替え戦となる21位からの浮上を図りたい讃岐と、J1昇格プレーオフ出場圏内の6位に食い込みたい大分との一戦が行われた香川県立丸亀競技場は、試合前から大きな熱気と少しの緊張感に包まれていた。どちらの選手も「必ず勝つ」、いや、「絶対に勝てる」という強い気持ちでピッチに立ったはずだ。そして、その結末とは――。

ファーストシュートは讃岐。キーパーとディフェンスラインの間を狙ったアンドレアの右からのクロスに高橋泰が頭で合わせる。が、キーパー・武田洋平がしっかりとキャッチ。その2分後は大分の末吉隼也。これをきっかけに大分が完全に主導権を握る。セカンドボールは、ほとんど大分がひろい、スピードとボール回しの早さで讃岐を翻弄。クロスも効果的に使ってくる。もともと讃岐のディフェンスは引いて守るのが特徴だが、この日は大分の前線からのプレスに、いつもより1、2列低い位置でのプレーを余儀なくされた。攻撃ではアンドレアを西弘則もしくはダニエル、もしくは2人にぴったりマークされ、ここ数試合、効果的だったサイドを崩す形が作り出せない。讃岐のゴールに迫る大分が大きなチャンスを迎えたのは23分。為田大貴がドリブルでゴール前に運び、走りこんできた末吉へ。末吉の放ったシュートはキーパー・瀬口拓弥の左をすり抜けたがクロスバーに阻まれる。29分には末吉のCKに、ダニエルの陰に隠れフリーとなっていた林容平が頭で合わせるも、ボールは僅かに枠の外。讃岐は45分を何とか持ちこたえ、大分は幾度ものチャンスを決めきれず、0−0で前半を終えた。

東京Vが群馬に1点リードされているという情報が入って迎えた後半。是が非でも勝点3が欲しい讃岐が先に動く。木島良輔を投入し、4−3−3の布陣に変更。対する大分は高松大樹を入れ、4−4−2に。そして68分、讃岐にようやくチャンスが訪れる。岡村和哉からのクロスを高橋が折り返し、途中出場の古田寛幸へ。古田はフリーでゴール前に待ち構えていたが、右足にジャストミートせずゴールネットを揺らすことが出来ない。讃岐はCBの藤井航大を前線に上げ、パワープレーに出るも、先制したのは大分だった。76分、高木和正のFKの跳ね返りのボールを足元に収めた松本怜がドリブルで駆け上がり、自身でシュート。ボールは豪快にゴールネットを揺らした。勝点3を手にするには2点以上が必要となった讃岐だが「あれ(藤井や瀬口を上げさせた)はうちのサッカーでは無い」(北野誠監督)という慣れない形に突破口を見いだせない。誰が競りあって、誰がセカンドボールを拾うのか曖昧のまま試合終了の時を迎えた。

香川まで駆け付けた500人以上のサポーターと勝利を喜びあった大分。5位の千葉、6位の山形も勝利したため順位は7位のままだが、最終戦に望みをつないだ。湘南を相手に厳しい戦いになる事は間違いないが、プレッシャーのかかる中、勝点3を手に入れたことは、次につながる大きな自信と経験になっただろう。

そして讃岐は21位が確定。J2・J3入れ替え戦へとまわる事になった。しかし、高橋の「入れ替え戦のことを考えながら日々準備できるので全部マイナスじゃない。開き直るしかない」との言葉通り、前を向く事が必要だ。今日は出来なかった(しなかった)自分たちのサッカーをすれば自ずとJ2残留は見えてくる。多くの選手の汗と涙とを引き換えに勝ち取ったJ2の舞台から1年で降りるわけにはいかない。

以上

2014.11.16 Reported by 中條さくら(オフィスひやあつ)
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