2014シーズンJ2ラスト3となった今節。2位までの順位が確定し、あとは昇格プレーオフ圏内に向けた激烈な争いが残っている。すでに地力での6位がなくなっている横浜FCと岡山は、勝点3が必須の前節に勝利を挙げることが出来ず、ともに数字上のわずかの可能性しか残っていない。今節の大分の結果次第では、横浜FCが勝利したとしても6位以内の可能性がなくなる状況。岡山も、残り試合を考えると非常に厳しい状況だ。しかし、そのようなわずかな可能性が残っている限り、その可能性を追求しなければいけない。この試合は、まさに最後のサバイバルの一戦となる。
前節の横浜FCは、水戸の徹底した戦術に苦しみアディショナルタイムにようやく同点に追いつく形で、引き分けに終了した。試合を通して勝点3にこだわり、87分に勝ち越しを許してから90分に同点に追いつく流れには、勝利への執念があふれていたが、一方で何よりも必要な勝点3を手中に収めることはできず。ただ、試合後の選手からは、異口同音に「可能性が残っている限り全力を尽くす」という前向きの言葉が聞かれた。現在、ホームニッパツ三ツ沢球技場では10戦負けなしの状況で、前半戦にホームで勝てなかった分を取り返している状況だが、この試合で必要なことは、やはり目先の一勝である勝点3だ。最近の横浜FCは、完敗を喫した第35節松本戦(10/4@味フィ西)を除いては得点を重ねていて、なおかつセットプレーだけではなく、様々な得点パターンが増えている点が好材料。3-6-1のフォーメーションの相手は得意ではないが、増やしつつある得点パターンを生かして、勝利を目指したい。
対する岡山は、第31節(9/14@松本)の松本戦に勝利して以来、勝ちから見放されている状況。前半好調だったときの貯金はあるが、まずはこの勝てない状況を打破することが先決だ。この流れの中で特に目立つのは、後半、そして終了間際の失点。前節の京都戦もそうだが、勝ちきれるはずの試合、引き分けに持ち込める試合ながら、後半に失点を喫して、あるはずの勝点を失っている。前節の京都戦も、試合自体は積極的な姿勢に満ちあふれていた。試合後の影山雅永監督は「3点目で突き放すことが出来なかったのは、ここまで改善できていない、勝ちきれない理由」と振り返ったが、後半の悪夢を払拭するような展開に持ち込みたい。
これまでの横浜FCと岡山の対戦は、横浜FCの5勝3分4敗と拮抗している。特徴的なのは、影山監督が就任して以来の5年間で、2点以上入った試合は2010年8月7日の第21節の対戦(@ニッパ球)で、横浜FCが2-0で勝った試合のみ。その他の試合は1-0の決着かスコアレスドローに終わっている。つまり、我慢比べとなる固い試合になる傾向がある。しかし、今節の位置づけを考えると、横浜FC、岡山の両チームともに、勝点3のために積極的に行くしかない状況。これまでと違った殴り合いの展開になるかもしれない。3-6-1を苦手にする横浜FCにとっては、中盤の距離感が空いてくる後半が狙い目。岡山は苦手の後半が要注意。その後半に向けて、前半のどのポイントで点を取りに行くか。お互いの特徴、最近の状況を踏まえ、試合の流れを読みながらの緊迫した試合になることは間違いない。
両チームとも、幸いにも昇格の可能性は残っている。こういう試合で勝点3へ死力を尽くすことこそ、プロの試合の醍醐味。そういう試合を見せられることが、まさにプロのしるし。大詰め間近のニッパツ三ツ沢球技場には、熱い戦いが待っている。
以上
2014.11.08 Reported by 松尾真一郎
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