J1リーグ戦6位のF東京は22日、ホーム・味スタで同7位の広島と対戦する。リーグ戦も残り6節。優勝争いは、上位5クラブに絞られたと言っていい展開。勝点42で並ぶ両者の現実的な目標としては、1つでも順位を上げて来季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内となる3位以内に近づきたいところだろう。そのためには互いに勝利が必要だ。
広島は前節、名古屋に4−0と圧勝した。FW佐藤寿人が約3カ月ぶりとなる今季リーグ8得点目を記録し、11年連続の2桁得点まであと「2」と迫っている。リーグ3連覇は絶望的だが、ヤマザキナビスコカップの決勝進出を決めており、モチベーションも高く保たれたままだ。人数を割く守備と、コレクティブにゴールを陥れる攻撃は健在で、90分の中で緩急自在にゲームマネジメントできる。チームとしての完成度はやはり高い。前節の名古屋戦は、前半は耐える時間が続いたが、後半に先制点を挙げてからは畳み掛けるように4ゴールを奪っている。ワンチャンスを機に、ガラリと試合の顔を変貌させてしまうあたりは連覇を果たしたチームの成せる業だろう。
ただし、F東京・GK権田修一は言う。
「相手はもちろんあるが、自分たちがまずやるべきことをやらないといけない。自分たち次第だと思っている」
F東京は現在、連敗中だ。14戦負けなしを続けていたが、第27節・仙台戦に0−1で敗れて記録が止まると、第28節・大宮戦にも0−1で敗れた。まさに、正念場なのだ。J1復帰後、10位、8位と年間順位を上げてきてはいるものの、万年中位という定位置からの脱却はチームとしての目標でもある。2012年には前年度の天皇杯優勝によってACL出場を果たしたが、リーグ戦での年間最高位は4位(2003年)どまりだ。上位に進出できるか、いつもの場所で落ち着くかはここからの戦い次第だ。
現在、リーグ最少失点(24)を誇るが、ここ2試合は無得点が続く。出場停止から復帰するエドゥーと、武藤嘉紀の2トップには得点の期待が高まる。エドゥーはこの一戦に向けて「広島は連覇をしているチームで、質の高い選手がそろっている。だが、われわれも彼らには負けていない。14戦負けなしを続けてきたし、その頃の状態に戻ってやり直していきたい」と語った。また、ここ2試合、相手の戦術的なファウルで苦しむ武藤だが、「それすらも超えていきたい」と口にし、3試合ぶりのゴールに強い意欲を示した。
さらに、ここに来て三田啓貴、東慶悟、加賀健一も復帰し、戦術の幅も広がりを見せるはずだ。広島同様に、ゲームマネジメントは今季のF東京が最も力を入れて取り組んできたところでもある。90分間の勝負どころを見極め、しっかりとチャンスをゴールに結びつけて相手にはスキを与えない。それをやりきったチームが上位と肉薄するための勝点3を手にするはずだ。
以上
2014.10.21 Reported by 馬場康平
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