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【J2:第37節 岡山 vs 山形】レポート:天皇杯準々決勝の勝利から中3日で岡山に乗り込んだ山形が4得点で勝利(14.10.20)

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ゲーム立ち上がりの10分間と、ゲーム終盤の10分間で2失点ずつ、合計4失点で岡山は山形に敗れた。岡山側からすれば、どうしてこうなるのか、と思う。失点そのものよりも、失点のイメージによるダメージが大きい。今回の山形の切り替えのスピード、人数をかけたペナルティーエリア周辺の守備、最後まで途切れないプレッシャーは、つい最近までの岡山の姿だ。気持ちで後手を踏み、萎縮するかのように今季最大失点をした岡山。見せたのは、砕かれたプライドをかき集めた90+2分の荒田智之のゴールだった。そしてゲームは1−4で終わった。

15日(水)に天皇杯準々決勝を戦い、ベスト4進出を決めた山形の勢いが出た立ち上がりだった。好調な空気を重視して、山形の先発メンバーは15日と同じ。「意識したことは、リスクをかけないで相手の嫌なことをするという共通認識。徐々にエンジンを上げるんじゃなくて、ホイッスルが鳴ったと同時にハードワークするっていうのが自分たちのサッカーでもあるので、そういう意味ではいい形で入れた」とボランチの松岡亮輔。

2分、早くもゲームは動く。押谷祐樹が前線にボールを運ぼうとしたところで山形がボールを奪い、ディエゴを経由して右サイド、山田拓巳からのクロスに山崎雅人が頭で合わせて先制。機先を制された岡山はその後も同じサイドで起点を作られ、ゲームを落ち着かせることが出来ないまま、8分、ウーゴに収まらなかったボールを最終ラインの當間建文が奪い、前線へ長いボールを送る。走り出した川西翔太は、岡山のDF2人を抜きさり、これを左足でゴールに沈めた。岡山はカウンター攻撃に対応しきれず、2失点目となった。

ゲーム序盤の2得点は山形にとって理想的な形だ。ここまで躊躇なく身体が動く山形に対し、岡山は固くなっていたが、2失点をしてようやく岡山は自分たちを取り戻す。変わらず山形のプレッシャーは厳しく、的確だったが、岡山は今季初めて先発で右ワイドに入った澤口雅彦のクロスから押谷がシュートに持ち込むシーンを作り、ポゼッションして食いつかせる時間もあった。35分からは左ワイドで先発した久木田紳吾を最終ラインにコンバートし、田所諒をワイドの位置に上げる。状況打破を図るが、岡山は前線にボールを収めることが出来ず、大きなチャンスを作れないまま前半を終える。

後半に入ると岡山は田中奏一を右ワイドに入れ、久木田をトップに替える。守備では岡山らしい粘りと安定感が出て、山形は追加点が奪えそうで奪えない状況が続いた。しかし岡山にとってのゴールは、さらに遠くに感じられた。それは連戦という厳しいコンディションの中で山形の選手のパフォーマンスが落ちなかったことが原因だ。そしてついに山形が83分、3点目を決める。ディエゴが左サイドのゴールライン際でためたボールを、宮阪政樹が上がって受け、ゴール右上にシュート。きれいに決まって大きな追加点とした。さらに90+1分にカウンターから、途中出場の伊東俊が4点目を決めた。山形の得点はいずれもGK中林洋次が止めることの難しい、精度の高いシュートだった。岡山はそれまでの対応で止めたかったが、それがことごとく出来なかったゲームだった。

90+2分、左サイドで久保裕一が意地でボールをキープしてクロスを送り、ゴール前の荒田が決め、岡山が1点を返す。そしてゲームは終わった。山形は今季初の連勝だ。順位をさらに上げるために必要だと話していた連勝となった。リーグ戦残り5試合を面白くするチームが昇格プレーオフ圏内に今季初めて入った。
0−4と1−4は違う。岡山のナイーブな表層のすぐ下には不屈の魂がある。もっと走れる。4失点なんて何てことない。これから最終節まで難しいチームマネージメントが問われるが、何をきっかけに浮上できるかはまだ見えない。このまま終わる可能性だってある。それでも今回も後半アディショナルタイムに得点した荒田や、「今、自分がチームで一番気持ち的にフレッシュだと思う。僕が試合に出られなかった間にチームはいい位置にいてくれた。楽しみに感じている」と話す澤口もチームに戻っている。

以上

2014.10.20 Reported by 尾原千明
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