●石崎信弘監督（山形）：

「天皇杯がリーグ戦の間に入るという形で、精神的にもかなり切り換えが難しい大会だと思うんですけど、選手たちは本当に勝ちたいという気持ちが強く出た試合だったんじゃないかなと思います。ただ、1-0という形で勝利したんですけど、攻撃はまだまだ点が取れるチャンスはあったと思いますし、崩しのところで引いた相手に対してのいろんなアイデアとかですね、そういうところはまだまだやっていかなければいけないのと、あとはやっぱり正確性ですよね。いい選択をしているかもわからないけど、そこでミスが出てしまっている。そういうところを改善していかなければ、リーグ戦もまだまだたくさんあるんですけど、なかなか勝ち切れないんじゃないかなと思います。
ただ、山形として初めての天皇杯ベスト4ということで、どういう形であれベスト4に入れたのは素晴らしいことだと思いますし、この勢いで次のリーグ戦、岡山戦（10／19＠カンスタ）ですね、トレーニングの期間は短いんですけどしっかりトレーニングして、今度こそリーグ戦で連勝できるように頑張っていきたいと思います」

Q：前半は相手がブロックを敷く中でなかなか崩し切れませんでしたが、後半はいい流れで得点も取れました。具体的にどういったことを狙おうとしたのかというところと、伊東選手の出場がいつもより早いと思ったのですが、狭いスペースでのプレーや崩しを期待したのかというところをお願いします。
「1つは、前半も向こうはやり方がそんなに変わってないと思うんですけど、ディフェンスと中盤の間にボールを入れたとき、バイタルエリアにボールを入れたとき、あまりにもミスが多すぎたんじゃないかなと。やはり後半よくなったのは、バイタルにいい形でボールが入ってくるようになって、そこでミスが出なかったというところが、後半に向けて改善できたんじゃないかなと。伊東俊の場合は、ああいう狭いスペースでもプレーできるというところと、後半の相手が疲れてきたときに伊東選手のようなスピードのある選手が入ってくれば相手も嫌だと思いますし、本当にいいところでボールを受けて、前の3人の絡み、ディエゴと伊東俊と川西と、その3人が絡んだ崩しというのが随分出てきたんじゃないかなと思います。ただ、先ほども言いましたけど、もっと点が取れる。トーナメントですからね、1-0でも勝てばいいんですけど、やはりそういうところの精度を上げていかなければいけないんじゃないかなと思います」

Q：岡山戦が次に控えています。今日は天皇杯で激しい試合が終わりました。リーグ戦も含むこの3試合は、力の入れ具合、気持ちの持って行き方が難しかったと思いますが？
「従来は天皇杯は若手に経験させるというところで、ある程度メンバーを代えて戦ってきたんですけど、かなり周りからのプレッシャーがあってですね。なんとしてでも勝てということで、今いるベストの形、前節から小林亮と石川が代わってるんですけど、そこは報道にあったと思うんですけどケガがあったということで當間と山田を使いました。ただやはり、自分たちは残りのリーグ戦6試合、天皇杯もあるんですけど、本当に1つ1つが大事な試合になってくる。今日勝った勢いを、次の岡山戦に向けてやっていかなければいけない。いつもリーグ戦に勝って、天皇杯に勝って、次のリーグ戦で負けてしまうという形が続いているんですけど、なんとしてもここの殻を破らなければ強いチームにならないんじゃないかと。もっとタフなチームになるためにも、次の岡山戦が大きなポイントになるんじゃないかなと思います」

Q：準決勝の対戦相手が千葉に決まったようですが、ある意味、やりにくい相手ではないかなと思います。対戦相手としてどのようにとらえていらっしゃるか。それと、少し時間がありますが、どういう準備をして臨まれるつもりなのかを教えてください。
「ジェフということで、どちらが勝っても決勝戦はJ2が1チームは行くという形になると思います。それもリーグ戦が終わってすぐのゲームなんですよね。その前にリーグ戦がまだ6試合あるということで、まだジェフのことは考える余裕がないというか、できればそれを勝って決勝戦に行きたいのは山々なんですけど、その前の6試合をしっかり勝って、J1昇格プレーオフに行けるようにしていくのがまず大きな目標だと思います」

Q：監督は山形に関わられて長いですが、初めての4強入りということで何がよかったと思われますか？
「1つ言えば、くじ運がよかったですね。前回（ラウンド16）は鳥栖に延長で1-0で勝ったんですけど、今回はJ2との対戦、その前（3回戦）では鹿島が負けたのでソニー仙台とになった。これはリーグ戦じゃなしにトーナメントですからそういうことはあり得ると思うんですけど、そういうくじ運というか、対戦相手に恵まれたかなというところ。ただ、2回戦・熊本、3回戦・ソニー仙台、ラウンド16・鳥栖、そして今日と、どの試合も本当に戦っている選手のなんとしても勝ちたいという気持ちが出た試合だったんじゃないかなと。特に、今日以外の前の3つの試合でいうと、若手に経験を積ませるために使ったりとかしましたが、そういうなかでも本当にチーム全員で若い選手が試合に出ることに関して素晴らしい後押しがあったと思いますし、天皇杯に懸ける気持ちというのはみんなすごく強かったんじゃないかなと思います。その結果が今日の1-0と、これまでの試合は全部1-0なんですけど（笑）、1-0という結果に出たんじゃないかなと思います」

Q：J2のチームが2つ残って次に対戦するわけですが、このことに関してはどのように思いますか？
「まあ過去にもJ2のチームが決勝に行ってる大会はありますし、それがこの大会の1つの、ジャイアントキリングとよく呼ばれているんですけど、1つの醍醐味だということ。J2が優勝したらACLに行くのが大変ですね（笑）。まあ、そういうこともあり得る大会だと思います」

以上