チーム内で“仁義なき髪型争い”が勃発している。今まで茶髪が禁止だった群馬だが、今夏にクラブ方針が変わり茶髪や奇抜な髪型が解禁。選手たちが続々とヘアスタイルに手を加え始めている。そんな中、強烈なライバル心を燃やしているのが、黄誠秀と瀬川和樹の師弟コンビだ。
事の発端は8月の練習場で起こった。猛暑の最中、なかなか髪の毛を切らない瀬川に対して、黄誠秀がグラウンド隅にあった電動草刈り機を持って挑発。「こいつ、髪型でチャレンジするっていいながら、ビビって全然切らないんですよ。だからここでオレが刈ってやります(黄誠秀)」。その時は、たまたま居合わせた自分(記者)が止めたため事なきをえたが、黄誠秀の怒りは収まらなかった。それは瀬川にクールになってほしいと願う先輩・黄誠秀の愛情でもあった。
そんな黄誠秀の愛に、瀬川が応えた。9月に入り、瀬川がオシャレパーマで登場、チーム内を騒然とさせたのだ。瀬川のニューヘアスタイルは、リトルリーゼントのチョイ悪風。本人によると、映画(漫画)「クローズ」を意識したという。周囲の評価はまずまずだったが、それに噛み付いたのは黄誠秀だった。
「リーゼント風かもしれないが、あまりにも中途半端すぎる。そんな髪型だったら、パンチパーマがアイパー(アイロンパーマ)にすべきだ(黄誠秀)」。彼が、これほどまでに主張するのには理由があった。高校時代の黄誠秀はなんと、額前20cmの強烈なリーゼントだったという。瀬川は「高校の卒業アルバムを見せてもらったとき、これはヤバイと思いました」と振り返る。黄誠秀は「瀬川がクローズなら、オレはビーバップ。なめんじゃねーって感じです」と威勢を張った。
ピッチ内外でつば競り合いを繰り返す黄誠秀と瀬川によるヘアスタイル対決に先日、決着がついた。髪型論争を展開する2人の間に割って入った新ブラジル人カイケが「ブラジルではSEGAWAの髪形は相当モテる。オレもSEGAWAのようなクールな髪形にしたいぜ。SONG−SUのアジアンテイストな髪型も嫌いじゃないが、やっぱりワイルドなのはSEGAWAだ」と発言。勝ち誇る瀬川に対して、黄誠秀は無言だった。
仁義なき髪型対決第1ラウンドの勝者は瀬川だった。だがビーバップ・黄誠秀とクローズ・瀬川の戦いに終わりはない。
以上
2014.09.27 Reported by 伊藤寿学
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