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【J2:第34節 山形 vs 讃岐】プレビュー:重みを増す「勝点3」。プレーオフをめざす山形と「自動残留」をめざす讃岐が対戦!(14.09.28)

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開幕した今季J2リーグは、残り9試合。来シーズンのポジションを決めるギリギリの潰し合いを重ねるうちに、背に腹は代えられない終盤戦への入り口はすでに通過している。目標と現在地を見定め、比較し、導き出される方向性は、より現実的なものへと向かっている。

勝点46で8位の山形は、自動昇格圏の2位までは勝点18差。現実的にはプレーオフ進出が目標となる。6位・大分との勝点差は4で十分に射程距離と言えるが、ただし7位以下は僅差で多くのクラブがひしめき合っている。特に7位・千葉から12位・福岡まではすべてJ1を経験しているクラブで、福岡は山形と2差の勝点44。若干差が縮まった3位〜6位をも巻き込んで予断を許さない状況は続くが、今シーズンここまで一度も連勝がない山形がこの争いに割って入るにはやはり勝ち続けるしかない。この時期の1敗や1分けによる遅れを取り戻せるだけの十分な試合数は残されていない。

対する21位・讃岐が最大の目標にしているのは、J3との入れ替え戦のない「自動残留」。ここまでの勝点は24。実現するためには前々節までの勝点3差が前節で6差まで開いた20位・東京Vをとらえなければならないが、得失点差は東京Vの-18に対して讃岐は-32と「プラス2勝」では足りない状況だ。さらに、今節から最終節まで、まさにプレーオフ圏争いの渦中のクラブとの対戦が目白押し。J1昇格争いの向かい風をまともに受けながら、なお前進が義務づけられる航行が続く。

第30節・水戸戦の途中から急遽採用された山形の3バックシステムは、天皇杯4回戦以降の公式戦4試合でも続けられ、不慣れな状態からは徐々に脱してきている。特に適性選手が多いシャドーなど前線3人の組み合わせはさまざまに試されてきたが、1トップにディエゴ、2シャドーに山崎雅人と川西翔太を置く組み合わせが現在はフィットしている。前節・栃木戦でも前線からのチェイシングで相手ボールにプレッシャーをかけ、攻撃に移ってからは3人が連動してシンプルにしてスピード感あふれる攻撃が何度となく見られた。高い位置で奪ってからのカウンターをめざしてきた石崎信弘監督の理想にもっとも近い攻撃が実現できている。その栃木戦でも多くの時間で主導権を握り、決定機の数でも大きく上回ったが、しかしスコアは1-1。試合を決定づける2点目、3点目を取るチャンスがほぼ毎試合ありながらそれを生かせず、リーグ戦では1得点以下の試合が6試合続いている。前線3枚にボランチから松岡亮輔が加わり攻撃の厚みもできているが、さらにウィングバックを起点にした攻撃の精度を上げ、決定機をさらに多くつくり出して勝ちきるスタイルを確立したい。

前節・長崎戦では87分の失点で0-1と勝点を得られなかった讃岐。北野誠監督は「試合の前にヴェルディが勝ったので、今日は勝たなければいけない試合」ととらえていたが、ほとんどシュートシーンに持ち込むことができず、「どう見ても今日は0-0と、点が入らなそうなゲーム展開」(北野監督)と勝点1を狙った終盤に隙を見せて失点した試合運びが悔やまれる。今節はこの試合の終了後にキックオフを迎える東京Vに、逆にプレッシャーをかけられるか。

その長崎戦のシュート数は4本。その前の松本戦が3本、さらに遡って湘南戦が2本と攻撃力を見れば苦しい状況が続いているが、それでも後半戦に入り着実に勝点を積み上げている要因は堅い守備にある。直近の4試合ではすべて前半を0-0で折り返し、ロースコアの展開に持ち込んでいる。最近では4-1-4-1や4-4-2ないし4-4-1-1など4バックを敷き、試合途中でのフォーメーション変更も珍しくないが、自陣で9人がリトリートしてブロックをつくり、奪ったあとロングボールから前線の木島良輔が橋頭堡を築く戦術は一貫してきた。さらに、負傷離脱から復帰した古田寛幸は、札幌時代に指導した石崎信弘監督が「左利きでスピードがあってテクニックがあり、左足のいいシュートを持っている」とその能力を高く評価している選手。中盤で起点となり、縦の攻撃に多くを頼ってきた讃岐に新たなバリエーションを加えようとしている。今節は190センチのセンターバック・エブソンが出場停止となるが、守備の要となっていただけにさまざまな影響を与えそうだ。

双方の戦力やここまでの戦いぶりを見れば、山形が讃岐陣内に押し込み、讃岐がカウンターを狙うはっきりとした展開が予想される。山形はカウンターのリスク管理をしたうえで、讃岐のブロックをどのように崩し得点に結びつけるかが大きなテーマ。ボランチを起点にサイドチェンジで揺さぶりながら、人の出入りを繰り返してギャップをつくり、使いたい。狭いスペースで動きながらプレーの精度を維持することは簡単ではなく、焦れずにやり続けることができるか。また讃岐がボールを奪ったあとは、切り換え早く敵陣で連動したプレッシャーをかけたい山形と、それをかわして前線に起点をつくりたい讃岐のせめぎ合いも大きな見どころとなる。

前回はミスを突いた山形が序盤で2得点を挙げ3-0と勝利した。守備のベースを持つ両チームにとって、先制点は試合を優位に進めるために効果的だが、今節はまた違った展開も予想される。石川竜也は「90分通して勝点3を取ればいいが、0-0だったりリードされてるシチュエーションもあるだろうし、そのなかでも試合に出てる11人が焦れずにやらなきゃいけない」としたうえで、「スタジアムが後押しするという部分で90分で戦うという雰囲気も必要だと思う」とホームのサポーターにもリードで気を緩めず、ビハインドであきらめずに戦うことを望んでいる。

以上

2014.09.27 Reported by 佐藤円
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