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【J1:第25節 新潟 vs 浦和】レポート:浦和が貫禄の試合運びで4連勝。連敗となった新潟も光明は見えた(14.09.24)

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浦和が2-0で新潟に快勝。リーグ戦の連勝を4に伸ばした。前半22分、興梠慎三が先制点、後半5分には森脇良太が追加点を挙げて突き放した。対照的に新潟は連敗。ただ、激しいプレスと早い攻撃の組み立てを見せ、復調の気配を感じさせた。

柏木陽介の言葉が浦和の力を表現していた。「今日は大人な試合ができた」。ゴングと同時に猛ラッシュをかけてくる相手に、押し込まれながらもジャブを放ってタイミングを図る。相手が手を止め、ガードを下げたところに鋭いストレートを2発打ち込んでダウンを奪う。ボクシングに例えるとしたら、そんなしたたかさがある試合運びだった。

最初の1発は前半22分、阿部勇樹からのロングパスを、関根貴大がペナルティーエリアの右に入ってキープ。中央に走り込んだ興梠が、関根からのラストパスをきっちりと押し込んだ。追加点も同様の形だった。阿部が今度は、右サイドでフリーになっていた森脇にロングパスを通す。サイドを駆け上がった森脇は迷わず左足を振り抜いて奪った。

3-6-1の浦和に対し、新潟も同じシステム、そしてマンツーマンでプレスを掛けてきた。得点シーンは相手のマークが外れた隙を突いたもの。「相手のハイプレッシャーにやり辛さはあったが、僕らは前から来られようが引いて守られようが、ノーマルに試合を行う。どんな対戦相手であっても、それをいなせるだけの練習を積み重ねている」。森脇は胸を張った。
ペトロヴィッチ監督も快勝にご満悦の様子。「今のチームの成熟度からすれば、同じやり方をすれば我々の方が1歩上回れる」。これで4連勝で首位をがっちりとキープ。自然と出た指揮官の言葉には、チームの充実度がうかがえた。

力尽きた感のある新潟だが、まったく収穫がなかったわけではない。立ち上がりからハイプレッシャーで浦和を追い詰め、前半は相手を自陣から出させない時間が長かった。球際は複数で寄せ、1対1でも1歩も引かない攻防を見せた。そして奪うと、縦パスを駆使して速い攻撃を披露した。
前半には指宿洋史、小林裕紀、レオ・シルバ、後半に田中亜土夢らが裏に抜ける場面を作った。結果的に今季3度目の連敗だが、前回の21節徳島、22節G大阪戦での連敗時に露呈した球際の甘さ、スピード感のなさは解消されていた。

それでも勝てなかった。欠けていたのは決定力。「今日に関してはビッグチャンスが何回かあった。それを決め切れないとしんどい」。柳下正明監督が言うように、理想的な形は作るが、最後の場面で答えが出せない。ここ数試合、同様の課題を抱えたままだ。
「決定的な場面で決められなかったのは自分の課題」と反省を述べた指宿は、「下を向くような試合じゃない。やり続けて行く」。田中亜土夢も「最後の精度。練習から意識して取り組むしかない」。チャンスを作り続けていたことは事実。新潟の持ち味のアグレッシブな攻守も戻ってきている。必要なのは得点という形だけだった。

「要所を押さえる」という勝利の鉄則。それを守った浦和と、実行できなかった新潟の差が出た一戦だった。

以上

2014.09.24 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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