リーグ戦は泣いても笑っても残り10試合。大詰めに向かって、両者の目線は異なるが、思いは同じだろう。「このままでは終われない」。現在の立ち位置に決して満足していない両チーム。ここからギアを上げて、さらなる高みを臨む。前節から中2日で挑む今節、両チームともに上昇へのきっかけをつかみたい一戦であることは間違いない。
水戸は現在18位に沈んでいる。リーグ前半戦こそけが人の多さに苦しんだものの、後半戦に入ってからは戦力も整い、試合を重ねるごとにチームは成長を見せてきた。前々節福岡戦で勝利するまで8試合勝利から見放される苦しい時期を過ごしたものの、そのほとんどの試合で主導権を握るなどチームは着実に前進してきた。
前節湘南戦、結果は2対4で敗戦を喫したとはいえ、システムを変えて修正を図った後半は首位を独走するチームを相手に主導権を握る展開に持ち込み、3点差まで開いた点差を一時は1点差にまで詰め寄り、さらにあわや同点かという決定機を何度も築いた。最終的に突き放されて敗れはしたものの、チームとしての力を見せたと言える。
ただ、それを結果につなげることができていないのが今季の水戸だ。だからこそ、現状の順位に甘んじてしまっていると言える。ゴールを、そして勝利をもぎ取る力強さを身につけない限り、現状を打破することはできない。
そういう意味で「しっかりしたメンタルで入れるか」(柱谷哲二監督)が結果を左右することだろう。思い出されるのは前回対戦。相手がかつて黄金期を築いた「ジュビロ磐田」ということで序盤は腰が引けた戦いをしてしまい、先制点を叩きこまれる苦しい展開を強いられた。しかし、後半に入って積極性を出すと、ボールを支配できるようになり、チャンスを多く作り出せた。それだけに前半の出来が悔やまれる敗戦となったのだ。
同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。“名前負け”は禁物。あれから3カ月。相手がどこだろうと、序盤から自分たちのサッカーを貫けるだけの力を培ってきたはず。これまで積み上げてきたサッカーに自信を持って今節に挑まなければならない。磐田を相手にアグレッシブな姿勢を貫いて手にする勝点3が浮上のきっかけになることは間違いない。「このままでは終われない」。危機感を胸に磐田に立ち向かう。
前節、4位の北九州に勝利し、3位の座を保った磐田だが、この位置に満足している者は誰ひとりいないはず。目指すは自動昇格圏内あるのみ。現在、2位松本とは勝点差7。差を詰めるためにも18位のチームから確実に勝点3を手にしたいところだろう。
前節システムを3−4−3から4−4−2に変更したことでチームは躍動感を取り戻した。前田遼一や山崎亮平、チンガ、松井大輔といった個のタレントが融合し、迫力ある攻撃を繰り出すことができた。この流れを継続させたいところ。
2試合連続していい内容で勝利できれば、終盤戦に向けてチームは勢いづくに違いない。「このままでは終われない」。名門の意地を誇示できるか。
以上
2014.09.22 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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