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【J2:第31節 栃木 vs 東京V】プレビュー:好調な攻撃陣の期待に応えたい守備陣。栃木は3戦無敗の勢いで、連敗中の東京Vを凌駕する。(14.09.14)

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残り12試合で勝点差8。J1昇格プレーオフ圏内に位置する6位大分と、栃木との現時点での差である。「(9月を)無敗でいければ上に行ける」と近藤祐介が言うように、6位以内は現実的な目標、射程圏内にある。少しずつ上位との差を縮め、混戦から抜け出すには勝点1では不十分。勝点3が求められる。そう考えると、前節の愛媛戦のドローは痛かった。しかし、考え方を変えれば、2点差を追い付けたことは悪くない。勝ち越せなかったことには悔いが残るが、3―3に持ち込めたのは前々節の磐田撃破の勢いが削がれていない証拠。圏外から圏内へ。勝利を積み重ねながら差を詰めていきたい。

今節の東京V戦に向けての明るい材料は、好調な攻撃陣であることは言うまでもない。直近の2試合で3ゴールずつ挙げたことが精神的な余裕をもたらしているのか、水曜日のショートカウンターのトレーニングでは次々にゴールネットが揺れた。その要因をルーキーの中美慶哉は、こう明かす。
「コミュニケーションも連係も取れているので、細かいパスでもこの人ならばここに来る、というのがよく分かっている」
つまり、阿吽の呼吸が生まれているのだ。乱打戦は好ましくはないが、複数得点が取れている今のフィーリングは大切にすべきだ。ポゼッションに長ける東京Vを組織的守備にはめ込み、高速カウンターを発動させたい。

トレーニングでシュートがバシバシ決まったということは、裏を返せば守備陣が対応に窮しているということでもある。実際、大量失点を喫しているだけに、いささか元気がない。そのことを敏感に察したであろう阪倉裕二監督は、トレーニング中に何度もプレーを止めて事細かに指示を送った。「中を締めろ」、「裏を取られるな」、「サイドへ押し出せ」。守備に関する基本を刷りこむかのように、指揮官は主に前記の3点を強調した。「今週は明らかに守備に対する監督の声が違う」(西澤代志也)と感じ取った選手たちが基本を押さえつつ、目まぐるしく変わる試合展開の中で的確な対応ができるかが問われる。攻撃陣に支えられている守備陣が、今度は攻撃陣を支えるような試合運びを見せられれば、「今、ゼロでいければ負けるチームではない」(西澤)ことが実証できるはずだ。

前節、讃岐との「決戦」(三浦泰年監督)を落とし、J初の連勝をプレゼントしてしまった東京V。今季は思うように勝点を伸ばせずに苦しんでいる。しかし、前半戦の対戦時に比べるとボールを動かせるようになっているし、全体的に整備された印象を受ける。結果的に讃岐が築いた守備ブロックを崩せなかったが、ファイナルサードまで運ぶ攻撃の形は作れていた。あとはいかにフィニッシュに至る回数を増やせるか。最前線には目をぎらつかせ、ストライカーの匂いを強烈に放つ杉本竜士がいる。どれだけ“突貫小僧”に気持ち良くプレーさせられるかが、今節の焦点になってくるのではないだろうか。

悪夢の6連敗から脱した栃木は、現在3戦無敗とリズムを掴みつつある。東京V戦を含めて9月の残り4試合は中位・下位との対戦が続く。ここを無敗で乗り切れれば、もっと言えば連勝を飾れれば、リーグ終盤戦に向けて一気に弾みがつく。磐田に勝ったからといって愛媛戦の勝利が保証されなかったように、今季は特にそうだが勝点を簡単に譲り渡してくれるチームはない。だからこそ、「みんながみんな、磐田戦と同じような気持ちでやれれば、残り12試合負ける気がしない」と西澤が言うように、強豪と対峙した時と同じテンションで挑めるかが重要になる。相手に合わせることなく自らを奮い立たせ、試合序盤から主導権を握る試合運びが肝要になるのは間違いない。

以上

2014.09.13 Reported by 大塚秀毅
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